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小さな世界では小さなことが気になる/夏南の法則Vol.125

大屋夏南<連載コラム>第2月曜日更新
モデルの大屋夏南が
ありのままに自由でいるための
カナ的イズムを書き綴る♡

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大屋夏南の新エッセイ本「It’s OK」発売中。ポジティブに生きるヒントが詰まった1冊です。

小さな世界では小さなことが気になる/夏南の法則Vol.125

先日、夜ご飯を食べに行ったら、あとからやって来て隣に座ったフランス人の家族が英語のメニューがなくて困っていました。

そこの店員さんは英語が話せて一通りざっとメニューの説明をしていましたが、何せ一人で満席のレストランを切り盛りしていたので、つきっきりで家族の細かい質問に答える余裕がなく、どちらも困っていたので私が注文取りましょうか?と申し出てみました。

達筆な手書きのメニューではきっとGoogleの写真翻訳も効かないし、材料を聞いてもどんなものが出てくるか想像がつかないことってある。

だからどんなものが食べたいか聞いてそれに近いものを探したり、ここに来たらこれ食べるといいよとか、これおいしいよとか提案したりしながら注文を取りました。

店員のお姉さんにメモを持って行って私の乱筆による誤解がないように、念のため口頭でもお伝えして任務完了。

席に戻ると隣の家族と会話が始まって、旅のコーディネーターに薦められてこのレストランに来たという。彼らは今回が初めての日本で、これから3週間かけて各地を回るとのことでした。

我々夫婦の各地のおすすめを伝えていたら、さっきのお礼にいっぱいどうですか?と店員さんがワインを持ってきてくれました。

彼女がワインを注ぎながら「お陰様で当店と日本に対する印象がいいものになったと思います。ありがとうございます」と笑顔で言っているのを見て、とても素敵だなと思いました。

いつ行っても人気のお店で、観光ビジネスで成り立っているような様子も全くないけど、「これでまた気持ちよく日本に来てくれると思います」と嬉しそうにしていました。

自分が大きな社会の一部であること、そしてそれを代表する一人であるという感覚をこんなにナチュラルに持ち合わせるのって、そう簡単なことじゃないと思う。

私もそうだけど、忙しくなるとついつい目の前のことや身の回りのことばかりに気がいってしまって、広い視野を持つことや大局を見るのが難しくなります。ひどい時なんて大きな世界が存在することすら忘れてしまって、気づかないうちに自分の世界を狭めてしまうことも。

小さな世界では小さなことが気になって、それがまるで一大事のように感じてしまったり、選択肢が限られているような、閉じ込められてしまったような気分になったりする。

でもズームアウトして全体が見えたら、そこから解放されて、気づくことや自然と解決することがたくさんあります。だから私も普段からそのマインドをしっかりと持って生きたいなと、この夜お風呂に浸かりながら改めて思いました。

何かに困ったりちょっと苦しいなって思ったりすることがあったら、まずは自分の世界を少し広げてみる。そうすると案外すんなりと答えが見つかるかもしれません。

素敵な1ヶ月でありますように♡

大屋夏南

1987年生まれのブラジル出身。17歳でモデルデビュー、数々の人気雑誌やファッションイベントに出演。
また、私服、美容情報など彼女のライフスタイルがいち早くチェックできるインスタグラム、YouTubeなどのソーシャルメディアはもちろん、スタイルブックや旅エッセイガイドを出版するなど幅広く活躍中。

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