猫好きにはたまらない“猫の島”
青い空と海をバックに、防波堤の間を軽やかにジャンプしている猫の写真。SNSで見かけたことがある人も多いのではないでしょうか?この写真の舞台は、香川県にある瀬戸内海の離島「佐柳島(さなぎしま)」です。
別名“猫の島”といわれるほど、多くの猫が暮らしていて、その数は約100匹。これは人口よりも多い数です。飼い猫半分・野良猫半分といわれていますが、その線引きはよく分からないままなのだそう。
佐柳島は、瀬戸内海に浮かぶ面積1.83㎢、周囲約7kmの小さな島です。島内には南の「本浦」と北の「長崎」の集落があり、2つの集落は海岸線に沿って続く1本の道で結ばれています。
島の始まりは豊臣秀吉の時代に与えられた領地権、江戸時代に制定された「人名制(にんみょうせい)」によって、同じく瀬戸内海に浮かぶ島「高見島」から、本浦に7人の人名が移り住んだところから、といわれています。鎌倉時代に高見島からの移住者があったという説もあります。
幕末には、数名の島民が勝海舟の咸臨丸の乗組員になったり、坂本龍馬の海援隊の志士となって活躍しました。
近年は遠くから猫に会いに島に来る人も多く、島に着くと人懐っこい猫たちがお出迎えしてくれます。島に行く時は餌を持参すると、喜んでもらえ、一気に距離を縮めることができます。
佐柳島まではフェリーで
佐柳島までは「多度津港」からフェリーに乗って、高見島経由で向かいます。島内の2つの集落の本浦と長崎それぞれに港があり、多度津港から本浦港までは約50分、長崎までは約55分。多度津港からは1日3便が本浦港へ、2便が長崎港へ運行しています。
島内はバス等の公共交通機関はないので、移動は徒歩になります。本浦と長崎の2つの集落間の移動は、ゆっくり歩いて約30分です。目の前に広がる海やのどかな景色を楽しみながら散策を。
島唯一の宿泊施設「ネコノシマホステル」とカレーが自慢の「喫茶ネコノシマ」
2017(平成29)年に佐柳島にオープンした、ゲストハウス&カフェ「ネコノシマホステル+喫茶ネコノシマ」。島で唯一の宿泊施設です。近畿から移住してきた夫婦が、1995(平成7)年に廃校になった木造校舎の旧佐柳小学校をリノベーションして、運営しています。
教室の面影を残す、ネコノシマホステルの宿泊部屋。客室は全部で4つあり、ここでは猫の立ち入りは禁止です。
喫茶ネコノシマは、元は職員室だった部屋をリノベーション。宿泊者は、事前に予約しておけば島の家庭料理の夕食をいただくことができます。宿泊者以外も利用でき、スパイスの効いたオリジナルのチキンカレーのランチが人気。毎日店主が腕によりをかけて、じっくりコトコト仕込んだこだわりのカレーを味わってみて。
多度津町のおじいちゃんおばあちゃんが、愛情込めて育てたいちじくを使ったアイスクリームもおすすめ。食べると幸せな気分になれる優しい味です。
元木造校舎のノスタルジックな雰囲気とのどかに暮らす猫との触れ合いを楽しめる、佐柳島の休憩どころです。オーナー夫婦も猫好きのため施設内にも猫が暮らしています。 場所はちょうど本浦港と長崎港の中間あたり。それぞれの港からは歩いて約15分です。
ネコノシマホステル+喫茶ネコノシマ 基本データ
<住所>〒764-0040 香川県仲多度郡多度津町佐柳1353
<TEL>0877-35-3505
<営業時間>
喫茶ネコノシマ:9:00〜17:00
<定休日>
ネコノシマホステル:月・火曜日
喫茶ネコノシマ:火曜日
島内を散策しながらたくさんの猫たちと出会って
佐柳島内には、自動販売機はありませんが、3軒の商店があります。本浦集落に1軒、長崎集落に2軒。飲み物などを購入することができますが、用事などでお休みになったり、早仕舞いすることもあるので注意が必要です。お店の前に集まる猫たちをパシャリ。
本浦港から徒歩で約5分のところにある「八幡神社」も、猫に出会えるスポットです。八幡神社には1824(文政7)年に奉納された「北前船」の模型があり、交易を成業としていた当時の佐柳島の人たちのようすを偲ぶことができます。
他にも、なくし物を見つけてくれる天狗様を祀る「大天狗神社」や、香川県指定有形民族文化財の「両墓制の墓地」、佐柳島の見どころはたくさん。可愛い猫たちと戯れながら、島内をゆったりと散策してみてはいかがでしょうか。
佐柳島(さなぎじま)/香川<日本>
佐柳島 基本データ
<住所>〒764-0040 香川県仲多度郡多度津町佐柳
行き方・アクセス
<電車・フェリー>JR四国「多度津駅」から徒歩約15分で「多度津港」へ。たどつ汽船で「本浦港」まで約50分、もしくは「長崎港」まで約55分
※ゴミは持ち帰る、道の真ん中で餌をあげない、家の敷地内に入って撮影しない、などのマナーを守って佐柳島巡りを楽しみましょう。
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