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プロフィール

megtronik
フォトグラファー 埼玉県出身。写真歴12年。自然の中に遊びに行くことが多く、「思い出をきれいに残したい」との思いからデジタル一眼レフカメラを購入したのをきっかけに、写真を始める。色や質感にこだわり、フィルムカメラを愛用するように。自然の景色や植物を絡めた人物撮影を好み、得意とする。
いいなと思った瞬間や感情をイメージ通りに残す
私は、四季の移り変わりや光や影など、自然がそのときどきに作り出す世界がとても好きです。その中に人物がいる景色はとくに好きで、写真でもよく撮ります。
私にとって写真とは、自分の頭の中を表現するもの。花を見てきれいと思う人もいれば儚さを想像する人、生命力を感じる人もいるように、同じときに同じものを見たとしても、それぞれみんな、頭の中で感じたり考えたりしていることは違うと思うんです。自分がどう感じたのかを目に見えるものとして表現できるのが、写真なのだと思います。

10年以上前、写真を始めた当初はデジタル一眼レフカメラを使っていたのですが、いつも自分の写真に違和感を抱いていました。他の方の作品を見ながらなぜだろうと考えていたときに、「いいな」と思う作品はすべて、フィルムカメラで撮影されたものであることに気がついたんです。複雑な色の深みや質感がすごく素敵で…。それで私もフィルムカメラで撮影することが多くなったという経緯があるのですが、富士フイルムのカメラは、デジタルカメラでも色や質感をフィルム写真のように表現できるので、愛用しています。写真の色がとても美しく、撮影していてとても楽しいです。
富士フイルムのカメラを使い始めたきっかけは、友人が「X-E3」を1か月ほど貸してくれたことでした。ファインダーを覗いた時点で自分がイメージした色味にかなり近く、後からもう少し色味を変えたいと思ったときも、元データが理想に近いので編集がとてもしやすいことに感動しました。そのとき、デジタルカメラに対するイメージがガラリと変わり、友人に返却すると同時に、購入していました。

また、ボディが小さくて軽いことも富士フイルムのカメラの魅力です。私は毎日、必ず1枚は写真を撮って写真日記をつけているので、気軽に持ち出すために、小型軽量であることが重要なんです。日常の「いいな」と思った瞬間の光や質感、感情を自分のイメージ通りに残せるのは、常にカメラを手にしていられるからだと考えています。フィルムシミュレーションのおかげで撮って出しでも満足できるので、そのままスマートフォンに転送して写真日記として記録していける。とても楽だし、見返したときにも好きな写真があふれていてうれしい気持ちになります。

今回使った「X-T5」は、普段使用しているX-E3に比べてファインダーがとても大きくて見やすく、撮影に集中することができました。操作性も良く、欲しいところに欲しいボタンやダイヤルがあるのもうれしいポイントでした。
そして特筆すべきは、フィルムシミュレーションの数です。普段愛用しているX-E3は9つなのに対し、今回使用したX-T5は20種類のフィルムシミュレーションが搭載されています。X-E3では「クラシッククローム」に彩度-3、シャドウを+2で撮影していることが多いのですが、X-T5はカスタムしなくても満足できるくらい、いろいろなフィルムシミュレーションがあり、簡単に好みの色にすることができました。撮ったら編集をするという概念がなくなるカメラだと感じています。
My favorite フィルムシミュレーション
フィルムシミュレーションの魅力は、撮影場所によって「こういうのもいいな」「こっちが合うかもな」と簡単に試すことができ、新しい発見をしていけるところだと思っています。細かく設定を変えるのは大変ですが、フィルムシミュレーションなら選ぶだけなのであっという間に好きな色で撮ることができます。
そのうえで、今回使って気に入ったのが、「ETERNA ブリーチバイパス」と「モノクロ+G」の2種類でした。
1:ETERNA ブリーチバイパス
普段は都度、彩度を低くなるよう設定して撮影していますが、「ETERNA ブリーチバイパス」を使えば、それだけで彩度が低く、シネマティックな写りになります。最初にファインダーを覗いたとき、見るものがすべてシネマチックになっていてテンションがあがりました。また、彩度は低くても人物の顔色が悪くなるということがなく、自然な色を表現してくれるところにも惹かれました。


2:モノクロ+G
「モノクロ+G」は中間色のグレーがとてもやさしく、光の美しさがきれいに見えると感じました。柔らかい光ととても相性がよく、光と影を強調しながら、間の色まで階調豊かに表現してくれるところが気に入りました。また、肌の色や空の色もやさしい雰囲気になります。



megtronikさんが愛するフィルムシミュレーションの特徴
1:ETERNA ブリーチバイパスとは?

動画用フィルムシミュレーションETERNAに、多くの映像作家に支持されている“銀残し”のフィルム現像効果を適用。高コントラストでありつつも彩度は低く仕上げられた画は重厚感があり、ドラマチックな映像の撮影に適しています。

2:モノクロ+Gとは?

通常のモノクロモードを、緑色を明るく、赤色を濃く表現する「グリーン(G)フィルター」を使ったような仕上がりに。ほかに、表現意図に合わせた画質調整として、コントラストを高める「イエロー(Ye)フィルター」と「レッド(R)フィルター」もあります。

megtronikさんが使用したカメラ
X-T5

Xシリーズの原点である「小型・軽量・高画質」にこだわり、写真を最優先に設計されたモデル。5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正機能や、ファインダー倍率0.8倍/369万ドットの高倍率EVFを搭載。カメラの軍艦部には、ISO感度/シャッタースピード/露出補正をコントロールする3つのダイヤルを搭載。操作感を最適化したことで、従来機より小型/軽量化した557gのコンパクトボディの実現と操作性の高さを両立した一台。