鹿児島「雄川の滝」は圧倒的自然美のエメラルドグリーンの秘境

南大隅町を流れる雄川（おがわ）上流にある落差約46ｍ、幅約60ｍの滝「雄川の滝」。何と言っても、透明度抜群の美しいエメラルドグリーンの滝つぼが特徴です。絹のような繊細な滝が、視界いっぱいに広がる断崖を伝い、エメラルドグリーンの滝つぼに流れ落ち、神秘的な空間となっていて、まさに秘境です。滝つぼのエメラルドグリーンと、岩肌に生えた苔の緑、滝つぼの手前の砂地の白とのコントラストも見応えがあります。

鮮やかなエメラルドグリーンの滝つぼを見たいなら、晴れた日が数日続いた後がおすすめ。水が澄んで、滝つぼの色が綺麗に浮かび上がります。雨の多い時期は水が濁ってしまうので、当日だけでなくその数日前の天気にも注意しましょう。

幾何学模様のような岩肌も特徴的です。この辺りの地質は火山由来の溶結凝灰岩からなっていて、10万年ほど前の阿多カルデラの巨大噴火により噴出した火砕流が固まったもの。この地質は柱状に割れるという特徴があるため、このような幾何学模様の断崖となっているのです。
数年前までは地元民でも知らない人が多かったという雄川の滝ですが、2018年に放送されたNHK大河ドラマ『西郷どん』のオープニング映像や、映画『キングダム』に登場し、一躍人気スポットとなりました。
また、雄川の滝には、滝つぼに１匹だけいる赤い鯉を見ると良いことがあるという伝説があります。透明度の高い滝つぼを覗いて、赤い鯉を探してみて。

かつては足場の悪い岩場から滝つぼを鑑賞していましたが、現在は展望台が２箇所設置されていて、鑑賞しやすくなっています。
滝つぼへつながっている２階建ての「雄川の滝展望所」からは、間近で滝を見ることができます。「上部展望所」からは、滝を上から見下ろせ、滝の上流側にあるダムも見えます。運が良ければ虹がかかっている様子が見られることも。
雄川の滝はすぐ上にダムがあり水力発電所の取水口があるため、普段は水流が少なく穏やかです。そのため、荒々しい姿があらわになった岩を流れ落ちる様子を見ることができるのです。

駐車場から雄川の滝までは、約1.2kmの遊歩道を歩いて行きます。清流と木々のざわめきを感じながら渓流沿いに歩く約20分の道のりを楽しんで。遊歩道ではアップダウンがあるので、歩きやすい靴や服装での散策がおすすめです。また、入口で竹の杖をレンタルすることもできます。
遊歩道入口では、本来は寒冷地の植物である「ハルニレ」の木の群生を見られます。

入口付近には、見つけると恋が叶うと言われているハートの石が潜んでいます。見つけたら記念にパシャリ。

遊歩道をしばらく歩くと、頭上70m〜80mの高さに、長さ約150mのアーチ橋「瀧見大橋」が見えてきます。渓流と山の景色の中で大きな存在感を放っていて、下から見上げる橋は迫力も満点。

瀧見大橋近くには休憩スポット「清流のほとり」もあります。エメラルドグリーンに彩られた清流を眺めながら、澄んだ空気とせせらぎの音に癒され、ひと休憩を。
最後の坂道を登り切ると、雄川の滝展望所があり、ついに雄川の滝と対面。目の前には圧倒的な光景が広がり、歩いてきた疲れも吹っ飛びます。

上部展望所へ行く場合は、こちらの遊歩道の入口にある駐車場とは別の駐車場を利用します。

滝つぼまでの往復の道のりで疲れた後は、遊歩道の入口そばにあるコンテナカフェ「aqua base cafe（アクアベースカフェ）」でゆったりと。“水辺の秘密基地”がイメージというコンテナを３つ繋いで作られた外観が目を引きます。南大隅町観光協会が運営するカフェで、地元産の素材をふんだんに使用した色鮮やかなドリンクなどがいただけます。

雄川の滝を連想させるような美しい見た目の「雄川ブルー」というかき氷。バタフライピーというお花から抽出した藍色を使い、人工着色料不使用なのも嬉しいポイントです。
他にもドリアやカレーなどのフードメニューもあるので、ランチにもおすすめです。

＜住所＞鹿児島県肝属郡南大隅町根占川南8485
＜営業時間＞
平日：11:00〜17:00
土日祝：10:00〜17:00
※繁忙期（ゴールデンウィーク･お盆･シルバーウィーク）は土日祝と同様
＜定休日＞水･木曜日

＜住所＞鹿児島県肝属郡南大隅町根占川北
＜TEL＞0994-24-3115（南大隅町商工観光課）
＜営業時間＞8:00〜日没
＜休業日＞無休
※悪天候時や上流での雨量が多くなった場合は、危険防止の観点から遊歩道への立入が禁止されます。突発的な降雨の際も、立入を禁止する場合あり
＜駐車場＞あり（70台）

無料

＜車＞大隅縦貫道「笠之原IC」から約50分

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