一度行ったら忘れられない「豊島美術館」の魅力

瀬戸内海の香川県と岡山県の中間あたりに位置する豊島は、現代アートの聖地として注目されている場所です。そんな豊島に2010年にオープンしたのが、豊島美術館。水滴のような形をした建物で、アーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛による建造物を展示しています。
展示しているのは、内藤礼が制作した「母型（ぼけい）」と呼ばれる作品のみ。美術館の存在そのものが一つの作品となっており、建築と美術を一体化させた美術館です。また、来場者が豊かな豊島の自然と一体化できる、安らぎの美術館でもあります。

「母型」は、広さ40×60ｍ、最高高さ4.5ｍの空間に柱が１本もないコンクリート・シェル構造。
建築物の床には186の穴が開いていて、この穴からわき出る地下水で、空間内に「泉」をつくり出しています。わき出た水滴が流れ、水たまり（＝泉）が形成され、やがて穴へ消えていく様子があちこちで繰り広げられています。
建物の天井には円形の開口部が２箇所あり、周囲の風、音、光を内部に直接取り込んでいます。天候や時間によって雰囲気が変わり、全く違う表情を見せてくれるので、行くたびに新しい作品と出会えます。

この空間にいると、心がすーっと浄化されるような気持ちになり、訳もなく涙が出てくる人も。この不思議な感覚は訪れた人にしか分からないのだそう。

なお、館内のアートスペースでの撮影はNGです。それ以外の場所では可能となっているので、詳細は施設のスタッフにご確認を。

豊島美術館へは、地中に埋もれるような形で建てられているチケットセンターでチケットを購入してから入ります。チケットセンターから美術館までは、遊歩道に沿ってゆっくり景色を楽しみながら歩きます。

途中には芝生に椅子や藁の座布団が設置されており、そこに座って瀬戸内海を一望することも。

母型のミニ版のようなドーム状の白い建物の中には、カフェとショップが。隔たりがなく、同じ空間に隣接しています。こちらは撮影OKです。

カフェでは、豊島産のレモンを使ったロールケーキや米粉のマフィンなどが味わえます。
ぐるりとサークル状に囲まれた空間があり、ベンチとして使ったり、床に直接座ったりして、ゆったりとした時間が過ごせます。開口部からは自然光がふりそそぎ、落ちつける空間です。

ショップでは、豊島美術館のハンドブックやクリアファイルなどのオリジナルグッズ、アーティスト・内藤礼や建築家・西沢立衛に関する書籍などが並んでいます。豊島や瀬戸内の地元で採れたものを使ったフードなどもあり、豊島産のレモンを使用したレモンフィナンシェが絶品。
カフェ＆ショップは豊島美術館に入館した人のみが利用できます。

豊島美術館前にある坂道は、唐櫃集落から唐櫃港へ下り、美術館前で大きく右へ曲がっています。そのため道路の先の方が視界から消え、海に向かっているように見えると、フォトスポットとして人気の場所に。
左手には日本の原風景ともいえる美しい棚田が。豊島美術館の周辺では、「棚田プロジェクト」として休耕田の整備が行われており、美しい棚田の風景が多く見られます。

豊島美術館は事前予約制での観覧を実施しています。訪れる前日までに予約サイトにて「豊島美術館オンラインチケット」を購入しましょう。入館予約チケットを30分毎の日時指定で購入できます。

＜住所＞香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
＜TEL＞0879-68-3555
＜開館時間＞
3月1日〜10月31日　10:00〜17:00（最終入館16:30）
11月1日〜2月末日　10:00〜16:00（最終入館15:30）
＜休館日＞
火曜日（3月1日〜11月30日）
火曜日から木曜日（12月1日〜2月末日）
※ただし祝日の場合は開館、翌日休館
※ただし月曜日が祝日の場合は、火曜日開館、翌水曜日休館
＜駐車場＞無料駐車場あり

1,570円
※15歳以下無料

＜フェリー＞
・「家浦港」から
バスで約15分（「美術館前」バス停で下車）／電動自転車で約30分
・「唐櫃港」から
徒歩約15分

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