目次
プロフィール
江崎愛
写真家・セルフパブリッシャー 1983年生まれ。東京都在住。東京造形大学映像専攻。大学で映像芸術を学び、独学で写真を始める。主な個展に、2016年「Oldie」(VOILLD、東京)、22年「Portraits in November」(HAITSU、東京)、23年「The worst day」(Utrecht、東京)、24年「ウィスキー・コーラ」(STUDIO STAFF ONLY、東京)ほか。2025年に個展「Archiveof affection, obsession」(Utrecht、東京)開催。同タイトルの写真集を刊行。
ステートメント、解説と展示作品の一部をご紹介
私が撮った他人のポートレイトを見た人に、「これはあなたですよね?」と言われた事が何度もあります。
初めて会った人から、もしくは数年来の友人からも、他人の写真を私かと聞かれました。
面白いことに、実際はその被写体たちと私は、全然似ていないのです。
「あまり親しくない関係性の人」の方が自分を投影しやすいので、数時間だけ相手と向き合い、会話をし、その人の輪郭が何となくつかめたらカメラを持ち撮影を始める、というプロジェクトを数年続けています。
被写体を物として扱っているようで、なんて身勝手なのだろうと思うのと同時に、「それが写真だ」とも思います。
写真の持つ粗野な魅力と、被写体との共犯関係性がなければ壊れてしまう部分が共存するので、大切に扱います。
江崎さんは眼光が鋭い。
私は眼光の鋭い写真家を信頼する。
江崎さんはしぶとく、しつこい。
納得するまで離してくれない。
しかし江崎さんは、興味がなくなるやいなやすぐ居なくなる。
そうかあ、と思いきや意外と「あのときああしたらよかったかな」と気にしたりもする。
江崎さんは世界に確信を抱いていない。
いつも「よくわからんな」という顔をしている。
江崎さんの写真にはなにかそんななかでもこれはこうである、という瞬間が写し出されているように感じる。凝縮度。
自己の探究というのは往々にしてそういうものなのかもしれない。
江崎さんはそれをストレートに、延々と、やり続ける。
── 米山菜津子 グラフィック・エディトリアルデザイナー
江崎は、東京造形大学で映像を学んだのち、独学で写真を始めました。友人が撮影したポートレイトのフィルムを見たことをきっかけに、「写真には撮る人の心情が写る」という直感を得たといいます。それ以来、江崎の写真は常に「他者と自分」の関係をめぐる問いとともにあります。
2022年の個展「Portraits in November」では、被写体との関係性そのものを主題とし、23年の「The worst day」では「最悪な1日」の自分を記録するように撮影しました。いずれのシリーズにも通底するのは、「自分」という存在から世界を思考しようとする姿勢です。
本展のタイトル「The overwhelming I 圧倒的な私」は、どんなに他の人の事を作品にしようとしても圧倒的な自分の存在があり、それに基づいて作品を作っているという江崎の心情が現れています。江崎にとって「写真を撮ること」は、他者と関係するためであると同時に、自らを見つめ返す行為でもあるのです。本展では、新作および過去に他者を写した写真を通じて、「自分」の存在の複雑さを顕にし、江崎の世界へのまなざしが、一層明確に立ち上がります。
── 江崎愛「The overwhelming I 圧倒的な私」プレスリリースより
江崎愛 個展「The overwhelming I 圧倒的な私」情報
開催日時
2025年11月20日(木)〜11月30日(日)13:00~19:00
※土日は12:00~18:00
定休日:月、火、水
会場
光灯
- 〒101-0037 東京都千代田区神田西福田町4-5 神田ビル3F
- Google Map
行き方・アクセス
<電車>
JR中央線・京浜東北線・山手線「神田駅」から徒歩で5分
都営新宿線「岩本町駅」から徒歩で5分
JR総武線「新日本橋駅」から徒歩で7分
江崎愛 写真集 「Archive of affection, obsession」情報
撮影:江崎愛
仕様:180×251mm /ソフトカバー
発売日:2025年4月
価格:5,500円(税込。本体価格5,000円)