アブ・シンベル神殿は、エジプト王ラムセス2世(紀元前1279年~13年)が建てた2つの神殿からなる遺跡です。
ナイル川西岸、クルスクの南側にある砂岩の崖に彫られたこの神殿は、1813年に発見されるまでは知られていませんでした。
1960年代には、ダムの建設計画により、水没の危機にあいましたが、ユネスコの協力によって移築工事が行われました。
この、アブ・シンベル神殿の救出がきっかけとなり、世界の遺跡や自然を守る「世界遺産」という制度ができたのです。
上の写真は、アブ・シンベル大神殿。
神殿の入り口の両側にラムセス2世の像が4体並んでいます。
ラムセス2世像の足の周りには、ラムセスの子供たち、王妃ネフェルタリ、母ムトゥイを表す小さな像が彫られています。
移築工事中は、多数に切断されたとは思えない、精巧なつくりです。
アブ・シンベル神殿には、年に2回(2月22日と10月22日)、大神殿の一番奥にある至聖所に、朝日が差し込む奇跡が見られる”ラムセスデー”と呼ばれる日があります。
もともとはラムセス2世の誕生日とラムセス2世が王に即位した日に、この奇跡が起こるように設計されていましたが、移築した現在は日にちがずれてしまいました。
大神殿のすぐ北側には、女神ハトホルを祀るために、王妃ネフェルタリに捧げられた小さな神殿があります。
こちらの神殿では、ネフェルタリ像を2体のラムセス2世像がはさむ形で立ち、それが対になっています。
アブ・シンベル神殿は、ライトアップされる夜も楽しめます。
別途入場料が必要ですが、神殿の内部の神秘的なレリーフも必見です。
アブ・シンベル神殿(Abu Simbel Temple)/アスワン・ゴヴェーノラテ<エジプト>
Abu Simbel,Egypt
※アスワン空港からアブ・シンベル神殿への無料シャトルバスあり
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