短い髪と私の関係/夏南の法則Vol.159
夏が始まる前に、また髪を短く切りました。
毎年この季節になると髪を切りたくなるのですが、思い返してみると、最初にショートヘアにしたのも夏を迎える少し前だったような気がします。
暑くなるからという理由だけではなく、季節が変わるタイミングに合わせて、自分自身も少し身軽になりたくなるのかもしれません。
この仕事を始めてから初めて髪を短くしたのは、今から10年ほど前のことです。当時はロングヘアのモデルさんが主流で、デビューしてからずっと所属していた事務所にも髪を切ることを止められていました。
モデルとして活動する上で、長い髪の方が仕事の幅も広がると言われていましたし、それも間違いではなかったと思います。それでも当時の私は、どこかしっくりきていませんでした。
周りから求められている自分と、自分自身が感じている自分との間に、少しずつ距離ができているような感覚があったのです。
その違和感をどうにかしたいという気持ちから、思い切って髪を切ることを選びました。
振り返ってみると、あのときの決断は私にとってとても大きな転機だったように思います。髪型が変わっただけなのに、不思議なくらい気持ちが軽くなりました。何かを新しく手に入れたというより、自分らしさを取り戻した感覚に近かったかもしれません。
それ以来、一度もロングヘアには戻っていません。
髪を短くすると、なぜか背筋がすっと伸びるような感覚があります。鏡に映る自分を見て、「これが今の自分だ」と素直に思える安心感もあります。そしてそれと同時に、自分の中にある強さのようなものを思い出させてくれる気がするのです。
強さというと特別なもののように聞こえるけれど、私にとっては、自分の感覚を信じることなのかもしれません。周りの期待やイメージに合わせるのではなく、自分が心地いいと思える選択をすること。その積み重ねが、自分らしさにつながっていくのだと思います。
髪型ひとつで人生が大きく変わるわけではないけれど、自分の背中をそっと押してくれることはあります。私にとってショートヘアは、そんな存在なのかもしれません。
今年もまた、短い髪で過ごす夏がやってきます。どんな景色に出会えるのか、今から少し楽しみです。
素敵な1ヶ月でありますように♡
プロフィール
大屋夏南
1987年生まれのブラジル出身。17歳でモデルデビュー、数々の人気雑誌やファッションイベントに出演。
また、私服、美容情報など彼女のライフスタイルがいち早くチェックできるインスタグラム、YouTubeなどのソーシャルメディアはもちろん、スタイルブックや旅エッセイガイドを出版するなど幅広く活躍中。