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写真家、映像監督、音楽家として活動する中野道による個展「めいめつ」が代官山で開催。“僕が集めていたのは、自分がもう戻れなくなる時間だった。”

写真家、映像監督、音楽家として活動する中野道による個展「めいめつ」が、2026年10月9日(金)~10月22日(木)に、東京 代官山のSISON GALLERyで開催されます。本展では、この10年間で撮りためてきた写真によるシリーズを、初めてまとまった形で発表。写真に残されたものと、その周縁にある“残せなかったもの”を辿ります。かつて共に過ごした人たち、もう戻ることのない時間。見えているものと、見えなくなったもの。記録と記憶のあいだを行き来しながら、中野道自身がこれまでの時間をひとつの区切りとする展覧会です。

Data

  • 開催期間:2026.10.9 ~ 2026.10.22
目次

プロフィール

中野道

写真家/映像監督/音楽家 アメリカ・ノースカロライナ州生まれ、長野県松本市育ち。現在は東京とニューヨークを拠点に活動する。上智大学大学院文学研究科修士課程修了後、2015年より写真と映像を中心に制作活動を開始。個人的な記憶や時間、身体、喪失を起点に、社会や価値観を形づくる構造への批判と、その中で生きることの受容を主題として、写真、映像、音楽を横断しながら作品を発表している。2020年に「全一性」をテーマとした写真集『あかつき』、2023年に写真集『Days in Between』を刊行。音楽活動では、バンド Modern Jazz Warのフロントマンとして、国内外で活動している。

僕にとって、今回の『めいめつ』は、自分の青春にさよならするようなものかなって思っています。

ステートメント、解説と展示作品の一部をご紹介

排水溝に落ちた白髪を見つけたとき、それが自分のものだと気づくまで、少し時間がかかった。
少し前まで、そんなものは自分とは関係のないものだと思っていた。
老いることも、誰かがいなくなることも、ずっと遠くで起きていることのようだった。
飼っていた犬は歳をとって、死んでしまった。
祖父の葬式では、久しぶりに会った祖母がずいぶん小さく見えた。
棺の中の祖父も、そこに集まった親戚たちの顔も、なぜか僕には、昔に見た映画をもう一度見ているように思えた。
皺の増えた母の表情だけが妙に現実的だったことは、よく覚えている。

歳をとることが、初めて怖いと思った。
今ここにいる自分が、少しずつ別の人間になっていくことを、受け入れられないのかもしれない。
日々が続くのは、報われなかった過去への償いなのだろうか。

あの頃の僕らには、天井なんて見えていなかったし、いろんなことが永遠に続くと思っていた。
月日は流れ、かつていた場所や、一緒にいた人、信じていたことや、どうでもよかったはずの景色まで、気がつけばもう戻れないところにある。
だけど僕たちは、成長したわけじゃない。
それらしい顔をして、諦めをつけられるようになっただけだ。
上手にできるようになったことなんて、それ以外にはない気がする。
それでも、僕たちはまた夏を迎える。
何度も、何度でも。

僕が集めていたのは、自分がもう戻れなくなる時間だった。

灯りが少しずつ暗くなっていくように、僕らの残火も、そう長くは続かない。
だからせめて、まだ光っているあいだに、その明滅を眺めていたいと思った。

── 中野道

写真家、映像作家、音楽家として活動する中野道。
幼少期を過ごした長野・松本の野山、写真との出会い、そして身近な人との別れ。中野は、自身の時間の中に現れては消えていった人や風景を、写真を通して見続けてきました。

「写真は、記録であり、記憶でもある」と中野は語ります。
シャッターを切った瞬間、そこにあった時間はすでに過去となり、写真だけが残される。しかし、その一枚を見るたびに、写っていない前後の時間や感情が立ち上がり、記憶は新しく作りかえられていく。

本展「めいめつ」では、写真に残されたものと、その周縁にある“残せなかったもの”を辿ります。
かつて共に過ごした人たち、もう戻ることのない時間。見えているものと、見えなくなったもの。記録と記憶のあいだを行き来しながら、中野自身がこれまでの時間をひとつの区切りとする展覧会です。

── 中野道 個展「めいめつ」プレスリリースより

中野道 個展「めいめつ」情報

開催日時

2026年10月9日(金)~10月22日(木)13:00~18:00
休廊日:月・火曜
※最終日は、17:00まで

入場料

無料

会場

SISON GALLERy

  • 〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町3-18
  • Google Map

行き方・アクセス

<電車>
東急東横線「代官山駅」から徒歩で8分

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