諫早市内に佇む、おとぎ話の世界のようなフルーツバス停
長崎県の諫早市内中心部から国道207号線を佐賀方面に向かう途中の、道路脇に突如出現するフルーツの形をしたバス停。さらに驚くのは、この国道沿いを進んで行くと、イチゴやミカン、メロンなどのカラフルでポップなバス停が次々と出現すること。まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのような気分になります。
これは、長崎県営バスのバス停で、たくさんのフルーツバス停が並ぶ通りは「ときめきフルーツバス停通り」の愛称で親しまれています。
1990年に開催された長崎旅博覧会で、長崎県の玄関口として訪れる人たちの心を和ませるために当時の小長井町が整備したのがきっかけ。アイデアの元になったのは、グリム童話「シンデレラ」に登場する「カボチャの馬車」なのだそう。
最近では町の人気観光スポットとなっており、有明海・雲仙岳をバックに、四季折々の花とバス停を写真に収めようと県内外から多くの人が訪れます。
キーホルダーやストラップなどのグッズがあり、最近ではフルーツバス停がデザインされたキャンディーも発売されています。
フルーツバス停は全5種類16基
フルーツバス停を施工したのは、地元諫早市にある株式会社吉次工業。さまざまな建物の工事を手掛ける総合建設会社です。フルーツバス停は、躯体から仕上げのほとんどを左官職人が造っていて、細かなディティールまでこだわったリアルな仕上がり。
2017年には塗り直し作業が行われており、30年以上たった今でも綺麗な姿で保たれています。
フルーツバス停は、イチゴ、ミカン、メロン、スイカ、トマトの全5種類、16基。各フルーツについてバス停の名前と一緒にご紹介します。
つぶつぶ感がリアルなイチゴ
一番数があるのはイチゴのバス停で、4基あります。イチゴのつぶつぶの部分が立体的になっていてリアル感も抜群。
「井崎」のバス停が中でも人気のフォトスポットとなっていて、ここで写真撮影をする人が多いです。3月下旬ごろはすぐそばにある菜の花畑が満開になり、菜の花の鮮やかな黄色がさらに彩りをプラスしてくれます。その他に、ひまわりやコスモスなども咲き、四季折々の花とフルーツバス停とのコラボレーションが楽しめます。また、ここではバックショットを撮ることも可能です。
イチゴバス停
井崎・小長井支所前・平原・山茶花高原
アイスのCMでもお馴染みのミカン
同じく4基あるのが、ミカンのバス停。横に木の枝が付いているのが特徴です。
「阿弥陀崎」は佐賀県方面から来た場合の、ときめきフルーツバス停通りのスタート地点となります。また、「ガツン、とみかん」のCM撮影のロケ地として使われたバス停としても有名。
「畜産センター前」は、ゼリーでお馴染みの株式会社たらみの工場の目の前。ここのミカンのバス停は横に木の枝が付いておらず、他のミカンバス停よりも濃いオレンジ色です。
ミカンバス停
長戸・小深井・畜産センター前・阿弥陀橋
絶景写真が狙えるメロン
続いて3基ある、メロンのバス停。表面の網目模様がくっきりと出ていて、つるの葉っぱまで表現されています。
メロンバス停のある「井崎」は、すぐ後ろに海があり、絶景写真を狙えます。また、バス停の窓から外を覗くと、まるで海に浮かんでいるかのような感覚になれます。道路の向かい側にはイチゴバス停があり、メロンとイチゴのコラボレーションも。
メロンバス停
平原・井崎・釜
通りのスタート地点となるスイカ
スイカのバス停も同じく3基。
佐賀県方面からのスタート地点となる「阿弥陀橋」と、高来町方面からのスタート地点となる「殿崎」があります。くるんとなったつるが付いているのと、表面がツルツルなのがポイント。
スイカバス停
築切・阿弥陀橋・殿崎
隠れキャラのブドウが近くにあるトマト
トマトのバス停が最も少なく2基のみ。トマトはフルーツなのか?と思う人もいるかもしれませんが、フルーツバス停の仲間です。葉っぱや茎の部分などとてもリアルに作られています。
「小深井」のトマトバス停の後ろには、隠れキャラのブドウが存在します。近くの住民が、使わなくなった浮きを活用して作ったもので、バス停ではありませんが、フルーツシリーズの仲間として探してみたくなります。トマトバス停よりも一段低くなったとことにあり、気づく人が少ないのだそう。
トマトバス停
小深井・大久保
フルーツバス停巡りは車がおすすめ
フルーツバス停に停まるバスは1時間に1本程度しか走っていないので、フルーツバス停巡りをするなら車で行くのがおすすめです。遠方から行く人はレンタカーやタクシーを利用するのがいいでしょう。
また、フルーツバス停のある国道207号線は、新鮮な地元の海鮮を味わうことができるお店がたくさんあり、冬には牡蠣小屋も開設されているので、帰りに寄ってみては。
フルーツバス停(ふるーつばすてい)/長崎<日本>
フルーツバス停 基本データ
<住所>長崎県諫早市小長井町国道207号線
<TEL>0957-34-2111(諫早市小長井支所)
<駐車場>なし
行き方・アクセス
<車>長崎自動車道「諫早IC」からスイカのバス停「殿崎」まで約30分、「殿崎」から「阿弥陀橋」までは約10分
<電車&タクシー>JR長崎本線「小長井駅」または、同「長里駅」からタクシー利用
おすすめ記事
世界中のフォトスポットを地図で!
※ 本記事内のInstagramの写真は、アカウント所有者より許可を得て掲載しております。