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「北沢浮遊選鉱場」はまさにラピュタの世界。佐渡のゴールドラッシュを支えた史跡

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日本海最大の島であり、古くより“金の島”と称されてきた「佐渡島(さどがしま)」にある、佐渡金山の関連遺産「北沢浮遊選鉱場(きたざわふゆうせんこうば)」。ダイナミックな廃墟に緑が生い茂る様から“佐渡のラピュタ”とも言われ、フォトスポットとしても人気です。ライトアップイベントも行われており、佐渡島観光には欠かせません。北沢浮遊選鉱場の歴史や、レンガ造りの火力発電所やシックナーなどもご紹介します。撮影欲を掻き立てられること間違いなしです。

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圧巻のスケール“佐渡のラピュタ”

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新潟県佐渡市の相川地区は、世界遺産への登録を目指している日本最大級の金銀山「佐渡金山」をはじめ、多くの史跡や歴史的建造物がある地区。発電所など鉱山の近代化に貢献した施設群が密集していて、鉱山町ならではの産業景観を目にすることができます。
北沢浮遊選鉱場は、そんな相川地区にあり、かつて佐渡金山で採掘された鉱石を細かく砕き、「浮遊選鉱法」によって金銀などの有用鉱物を抽出していた施設。銅の製造過程で行われていた技術であった浮遊選鉱法を、金銀の採取に応用し、日本で初めて実用化に成功しました。
施設の大きさは、高さ約35m、幅約115m、奥行き約80mで、その規模の大きさに圧倒されます。

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近年では、LED照明を使ったライトアップイベントが開催され、佐渡島を巡るツアーに組み込まれるなど、人気観光スポットとなっています。
また、コンクリート部分に植物が生い茂った様子は、まるで映画『天空の城ラピュタ』のようで、映画の世界に迷い込んだような気分になれるとの声も。
佐渡金山からは車で約5分で、駐車場も完備、というアクセスの良さもポイント。多くのメディアでも取り上げられる話題のスポットです。

“東洋一の浮遊選鉱場”と称された産業遺産

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北沢浮遊選鉱場は、1936(昭和11)年に工場建設に着手、その後大増生産計画に伴って設計を変更し完成しました。施設完成後は、月に5万トンの鉱石を処理できたことから、かつては“東洋一の浮遊選鉱場”と言われていました。
1952(昭和27)年の鉱山大縮小に伴い施設は廃止になり、現在では階段状のコンクリートのみが残された状態となっています。内部に入ることはできませんが、段の手前まで近づくことができます。

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右側にあるレンガの建物は1908(明治41)年に建てられた火力発電所で、各施設に電力を供給していました。

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浮遊選鉱場の向かいにある、ローマのコロッセオを彷彿させる形をした建物は「シックナー」といい、浮遊選鉱場とともに昭和の大量生産を支えた施設です。シックナーは、不足する工業用水を確保するため、水と不純物を分離する装置で、不純物は捨てられ、水は選鉱場で再利用されました。直径は約50mで、国内でも最大規模の施設でした。
その他にも、急斜面の物資運搬を行う装置であるインクラインや、機械部品類の製作・修理を担当した工場の跡など、佐渡金山の生産システムを支えていた一連の施設群も残っています。

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2010年には雄大な遺跡を仰ぎ見ることができる芝生の広場が整備されました。歴史の面影を残しながら、さらに北沢浮遊選鉱場の魅力を引き立てる空間となり、この広場はグッドデザイン賞を受賞しています。

見る場所や時間によって異なる表情を楽しめる

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シックナーのちょうど真上にあるお寺「総源寺」からは、北沢浮遊選鉱場跡の全景を望むことができます。ここからの眺めは、真正面に見るときとはまた違ったイメージに。
手前には円形のシックナーを、遠くには日本海を見渡せ、水平線も望める美しい光景が広がります。

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夜は、さらに迫力を増した、星降る北沢浮遊選鉱場の姿を楽しめます。廃墟ならではの、美しも儚い魅力をより感じることができます。

観光シーズンにはライトアップも

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観光シーズンの夜間は、例年LED照明を使った色彩豊かなライトアップが実施されています。季節の変化に合わせたプログラム変更も予定しているとのこと。
2022年の6月からはより幻想的な雰囲気を演出するために、ヒーリング音楽のBGMを使用し、光と音の融合による世界観を楽しめるようになっています。プロジェクションマッピングや、募集したメッセージを投影するメッセージプロジェクトが開催されたことも。
近代遺産の象徴が暗闇に浮かび上がる光景や、歴史を感じさせる廃墟と現代的なライトアップ演出との融合は、ここでしか見られない景色です。

北沢浮遊選鉱場ライトアップ 基本データ

<開催期間>2022年4月22日(金)~2023年2月28日(火)
<開催時間>
19:00〜22:00(4月~9月)
17:00〜22:00(10月~2月)
<入場料>無料
※プロジェクションマッピングなどイベントによっては有料

北沢浮遊選鉱場(きたざわふゆうせんこうば)/新潟<日本>

北沢浮遊選鉱場 基本データ

<住所>新潟県佐渡市相川北沢町3-2
<TEL>0259-27-5000(佐渡観光交流機構)
<駐車場>あり(乗用車:30台大型バス:3台)

入場料

無料

行き方・アクセス

<車>両津港から約50分
<バス>「相川博物館前(本線、七浦海岸線)」から徒歩で約2分

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