20世紀を代表する報道写真家 ロバート・キャパの作品を約100点展示
特別展「もうひとつの顔 ロバート・キャパ セレクト展」では、スペイン内戦の結末を暗示するかのような「崩れ落ちる兵士」や、死線に身を晒し命懸けで撮影した「ノルマンディー上陸作戦の激戦」など、戦争報道写真の傑作とされている作品も展示されています。
リアルタイムに映像が届けられることがなかった時代、キャパの写真が紙面を通して人々に与えた衝撃は計り知れません。
一方で、キャパは戦時下の市民の姿もカメラに多数おさめました。
不安げに空を見上げる人々や途方に暮れて佇む人など、戦争が日常化した世界とそこに生きる人たちの姿を多面的に捉えようとする意識がうかがえます。
このことは、キャパ自身が写真集を企画刊行する編集的視野をもっていたことと関係しているかもしれませんが、人が見せる鮮烈な感情と向き合うことで「人間」という存在にせまる挑戦であったと捉えることも。
人の内面を浮き彫りにするキャパの「まなざし」は、親交のあったピカソやヘミングウェイらを被写体とした場合にも遺憾なく発揮されます。
特別展「もうひとつの顔 ロバート・キャパ セレクト展」では、東京富士美術館が誇るロバート・キャパ・コレクションの中から、溢れ出る感情とそれを捉えるキャパの眼を軸に選び出した約100点の作品を展示。会場内は、キャパの「もうひとつの顔」である編集的視点で構成されています。
再び緊迫する世界を前に、激動の世紀を駆け抜けたキャパの写真を観に足を運んでみてください。
特別展「もうひとつの顔 ロバート・キャパ セレクト展」
開催日時
2022年9月10日(土)~11月6日(日)10:00~18:00
※入館は17:30まで
会場
神戸ファッション美術館
兵庫県神戸市東灘区向洋町中2‐9-1
観覧料
一般 1000円
大学生・65歳以上 500円
高校生以下無料
※神戸市内在住の65歳以上の人は無料
※有料入館者30人以上の団体料金あり
※神戸ゆかりの美術館、小磯記念美術館の当日入館券(半券)で割引
行き方・アクセス
<電車>六甲ライナー「アイランドセンター駅」東出口から徒歩ですぐ
<車>阪神高速神戸線「摩耶」・「魚崎」ランプから約10分
阪神高速湾岸線「六甲アイランド北」ランプから約2分
※駐車場は、神戸ファッションプラザ駐車場(有料)を利用
主催: 神戸ファッション美術館、神戸新聞社、毎日新聞社
後援:サンテレビジョン、ラジオ関西
企画協力:東京富士美術館
展示協力:大阪樟蔭女子大学
ロバート・キャパ プロフィール
ロバート・キャパ(本名アンドレ・フリードマン)は1913年、ハンガリーのブダペストに生まれた。1930年代から写真家として活動を始める。撮影機材の発展を背景に、臨場感のあるキャパの写真は注目を集める。公私にわたるパートナーであった女性写真家ゲルダ・タローとともにスペイン内戦を撮影し、兵士が撃たれた瞬間をとらえたとされる「崩れ落ちる兵士」で世に知られる存在となった。第二次世界大戦では連合国のノルマンディー上陸作戦やパリ解放などを取材。1947年にアンリ・カルティエ=ブレッソンやジョージ・ロジャーらとともに国際写真家集団「マグナム・フォト」を結成。1954年には来日し、東京・大阪・奈良などで市井の人々を撮影。その直後、第一次インドシナ戦争を取材中に地雷を踏み、40年の生涯を終えた。
- 【お問い合わせ先】
- 神戸ファッション美術館
- www.fashionmuseum.jp