【龍崎翔子のクリップボード Vol.26】ドラマチックな移動時間

龍崎翔子<連載コラム>

龍崎翔子<連載コラム>第1・第3木曜日更新
24歳にして5つのホテルを経営する
ホテルプロデューサー龍崎翔子が
ホテルの構想へ着地するまでを公開!

【龍崎翔子のクリップボード Vol.26】ドラマチックな移動時間

旅の半分は移動時間だと思う。飛行機、新幹線、電車、バス、車、バイク、自転車…。旅先で過ごす時間と同じくらい、乗り物に乗っている時間は長い。

旅先で楽しめることは多々あるけれど、旅行のコンテンツとしてデザインされた交通手段はあまり多くない。ホテルに泊まるとき、寝られたらどこでもいいわけじゃないし、レストランに行くとき、栄養が取れたら何でもいいわけじゃない。ワクワクしながらどこにするか選び、その土地らしさやバカンス感の醸し出された、旅行を彩るような心ときめく時間を過ごしたいのと同じように、移動もドラマチックにデザインされていたらいいのにと常々思う。

例えばレンタカーに乗るとき、たいてい車種にはほとんどこだわる余地がなく(たいがい軽自動車だからね…)「とりあえず移動できたらいいわ!」と値段で選ぶしかないことが多いけれど、ミニクーパーやらワーゲンワゴンやら80年代のカローラやら、いつか乗ってみたいな〜と心ときめくような車を選ぶことができたらいいのに!そしたら自動車はただの移動手段じゃなくて、私を目的地に連れていってくれる素敵な空間に様変わりする。

自動運転技術が成熟した世界のことを考えたときに、不動産の価値はゆらぎ、ホテルのあり方は今とは大きく変わっているだろうと容易に想像できる。駅近のビジホは必要なくなって、空港から様々な場所を周遊する車がホテルであり、家となるのだと思う。きっとお気に入りのものに囲まれながらベッドで寝たり、車窓の景色を眺めながら食事したりできる、宿のような車なのだろう。

そんな未来のことを想像しながら、移動時間をもっと魅力的にできるサービスを考えている。移動手段が、機能から体験へとシフトする時は近い。

龍崎翔子

2015年、大学1年生の頃に母とL&G GLOBAL BUSINESS, Inc.を立ち上げる。「ソーシャルホテル」をコンセプトに、北海道・富良野に『petit-hotel #MELON』をはじめとし、大阪・弁天町に『HOTEL SHE, OSAKA』、北海道・層雲峡で『HOTEL KUMOI』など、全国で計5軒をプロデュース。京都・九条にある『HOTEL SHE, KYOTO』はコンセプトを一新し、2019年3月21日にリニューアルオープン。

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