「K4」とは?
展覧会名「石見神楽を支えつながる K4展」の「K4」は、日本画家の川﨑麻央(“K”awasaki mao)、「柿田勝郎面工房」の神楽面(“K”akita katsuro)、神楽職人さん(“K”agura craftsman)、その作業風景を撮影した写真家 河野英喜(“K”ono hideki)、それぞれの「K」をとって名付けられました。
石見神楽を支える職人たちを写真家 河野英喜が撮影
河野 英喜
写真家 広告・ファッション誌を中心に活躍するかたわら、近年では女優や俳優、各界のアーティストなどを主軸に撮影する。またタレント、声優のグラビアページや写真集書籍なども多数手掛ける。写真専門雑誌や写真教室などで撮影指導、写真審査、執筆など幅広い活動もしている。
島根の郷土芸能『石見神楽』は石見地方(島根県西部)に伝わる伝統芸能で、きらびやかな衣裳を身にまとい、8調子という早いテンポで奏でられる楽に合わせて舞われる華やかな神楽です。最近では観光資源として多くの観光者に知ってもらいたいと自治体をあげてPRしていますが、小さい頃、日常的に触れていた僕らからすれば特別なものではなく、時期が来れば神社で奉納される夏や秋を感じる季節の節目としての役割が大きかったように感じます。
小さい頃は華やかに舞われる演目や、登場するキャラクターなどに目を惹かれましたが、成長するにつれ神楽を構成する面や衣裳の造作美に目が止まり、そちらへの興味が大きく膨らみ、小学5年生の頃から神楽面の工房に通い製作過程を見続けて育ちました。そしてカメラを手にした今、あの頃見たシーンを残しておきたいと思い2018年ニコンD850の企画展ではモチーフを神楽面に定めて製作工程や、職人の表情を見つめながらシャッターを切って発表しました。
それから5年。様々な出会いがあり神楽面に留まらず衣裳や大蛇の胴の製作工程などにも触れる機会をいただき、今回のK-4展の作品発表へとつながっています。
今回の撮影を通じて新たな発見がありました。それは面・衣裳・蛇胴の全てに地元で生産されている和紙が使われていたことです。専門的な話はここでは割愛しますが、加工性と強度に優れた和紙が製作に欠かせないとのことで、各部さまざまなところで使用されています。K4展では石州和紙会館と手漉き和紙職人の久保田さんの協力で、全て地元の石州和紙を使用してプリントしています。
今回の撮影で普段撮られ慣れていない職人の皆さんを撮影させて頂くにあたり、素の表情を撮り収めることを意識しています。また、それぞれの分野でしなやかに動きを変える職人の手も見逃していません。その為に間隔を空けて通い、言葉を交わし、カメラを持つ姿に慣れてもらえるように心がけました。厳しい表情の中、作業を理解する為に質問に優しく答えてくれるやわらかい表情は求めても得ることはできません。これが人物撮影の一番の面白さであり、難しい部分だと思います。何度も会って自然と笑顔が見えてきたらきっと「撮りごろ」に違いないタイミングだと思います。
河野英喜
「石見神楽を支えつながる K4展」情報
開催日時
2023年11月11日(土)~11月26日(日)9:30~17:00(最終入館16:30)
※最終日は16:00まで
休館日:毎週月曜日、11月24金(金)
入場料
無料
会場
浜田市世界こども美術館 3Fコレクション室
〒697-0016 島根県浜田市野原町859-1
行き方・アクセス
<電車>JR山陰本線「浜田駅」からバスで「美術館前」バス停下車すぐ
<車>浜田自動車道「浜田IC」から約10分
11月11日(土)オープニングイベント開催
トークイベント
10:00~11:20
パネルディスカッション「石見神楽を支つながる」
コーディネーター: 久保田章市 浜田市長
パネラー:川﨑麻央、柿田兼志、小川徹、河野英喜
石見神楽上演
11:30~12:30
島根県立浜田商業高等学校 郷土芸能部
川﨑麻央 絵画教室
14:00~16:00
カラフルな和紙に日本画の顔料を使って絵を描いてみよう
・定員:15名(小学生から高校生まで)
・参加無料※事前に申し込みが必要
11月1日(水)AM9:00より電話にてお申込み受付(先着順)
・申込先:浜田市世界こども美術館 TEL 0855-23-8451
- 【お問い合わせ先】
- 浜田市世界こども美術館
- www.hamada-kodomo-art.com