エプサイトギャラリーにて、「第4回epSITE Gallery Award」受賞作による写真展を開催
「第4回epSITE Gallery Award」の受賞作品『フォーエバー・ヤング』は、松本真理が思春期という心身ともに成長の変化が著しい時期を魅力に感じ、10年ほど前から撮り始めていた10代前半の人物のポートレートを中心とした作品。
撮影者である松本真理と被写体との間に生じた緊張感を絶妙なバランスで孕みつつも、被写体が放つみずみずしさ。『フォーエバー・ヤング』というタイトルに込めた思いをしっかりと定着させた作品を、ぜひ会場にて楽しんでください。
『フォーエバー・ヤング』
「思春期と呼ばれる世代に魅力を感じ、10年ほど前から撮り始めた10代前半の子のポートレート。
しかし、コロナやフィルム価格の高騰や友人の死や何やらとネガティブな要因が重なり、気持ちが負けてしまって数年ほど中断していたが、結局それらがまた縁と活力をもたらしてくれて再会することが出来た。
もうすでに成人した子も写真の中の姿は中学生のまま初々しい透明感を放っている。
まるで昨日の出来事のように、写真の肖像と亡き人の共通項は永遠にそこから年を取らずに記憶や記録となる事を感慨深く思うようになった。
人は日々老いて死に向かう運命なので、若い人や若々しい人に希望を感じるのは人間の本能であるという。
そうすると、私が10代の子を撮り始めたのも普遍的で自然な行為かもしれない。
希望が見出しづらくなった世の中に希望を求めて」。
松本 真理
「epSITE Gallery Award」について
「epSITE Gallery Award」は、エプサイトギャラリー公募展応募作品の中から最も優れた作品に贈られる賞です。
受賞作品は、作者が思春期という心身ともに成長の変化が著しい時期を魅力に感じ、10年ほど前から撮り始めていた10代前半の人物のポートレートを中心とした作品です。撮影者と被写体との間に生じた緊張感を絶妙なバランスで孕みつつも、被写体が放つみずみずしさが捉えられており、タイトルに込めた思いをしっかりと定着させた作品となっています。SNSの時代に日々消費されていく写真とは明らかに違っているところが、高評価につながりました。
選考委員コメント
「テーマなどが限定されていないこともあって、タイプの異なるさまざまな作品の応募があり、一番を選ぶのは難しかった。そうした中で本作は、作者が撮ることを楽しんでいるのが伝わってきて、かつ撮る側と撮られる側の絶妙なバランスの上に成り立っているという面白さが目を引いた。人物を中心としているが、人物以外の写真も丁寧に撮られており、作品全体の魅力を増している。今後はプリントの技術を向上させるなど、技術面を磨きつつ、本作の続編も含め、作者の持ち味を生かした作品づくりに取り組んでほしい」。
鈴木理策(写真家)
「コロナ禍の影響なのか、自己の内面への探究を形にしていった作品が少なくなく、しっかり考察されていたり、コンセプトをどのように伝えていくかよく練られていたり、写真と作者(『私』)との関係性が、多種多様なあらわれかたをしていて、興味深かった。そうなってくると、テクニック面がより気になってくる。面白い写真が、かならずしも、技術をともなっているとは限らないのが難しいところだ。本作は、『なぜ?』『どうやって?』など考えさせられ想像するという『見るよろこび』を与えてくれる。展示では、元がネガなので、プリントスキャンに取り組んでみるなど試行錯誤があると思うが、その過程で、どんなことをもっとも伝えたくて、そのためにはプリントの方向性をどうすればよいのか、など、いろいろ考えることができるので、さらに深く作品を自分のものにすることができると思う」。
本尾 久子(インディペンデント・キュレーター)
松本真理 写真展『フォーエバー・ヤング』情報
開催日時
2023年6月23日(金)~7月5日(水)11:00~18:00
休館日:日曜日
会場
エプソンスクエア丸の内 エプサイトギャラリー
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-4-1新国際ビル1F
行き方・アクセス
<電車>千代田線・日比谷線・都営三田線「日比谷駅」B3・B4出口から徒歩で約3分
東京メトロ有楽町線「有楽町駅」D3出口から直結
JR線「有楽町駅」国際フォーラム口から徒歩で約2分
- 【お問い合わせ先】
- エプソン エプサイトギャラリー
- www.epson.jp/showroom/marunouchi/epsite/gallery/
松本真理 プロフィール
神奈川県生まれ。
2003年 B-semi Learning of System 終了
<個展>
2012年 「チャイニーズ・ドリーム」コニカミノルタプラザ(東京)
2014年 「思春期」GENBAGEN(神奈川)
2015年 「1192」ギャラリー蒼穹舎(東京)
2016年 「ひゃくやっつ」ギャラリー蒼穹舎(東京)
2017年 「みんな、フィデルの子」ギャラリー蒼穹舎(東京)
<グループ展>
2013年 「2013年ヤングポートフォリオ展」清里フォトアートミュージアム(山梨)
2015年 「2015 Taiwan photo」新光三越(台北市、台湾)