【勝ちに行く美容 Vol.07】俯瞰力
「真理子はほうれい線よりまぶたのたるみの方が気になるから」
3歳からの幼馴染ともなると、歯に衣着せずハッキリと指摘してくる。
これは確か、右頬のシミを取ろうかな?と聞いたときのありがたき答えだ。
美容にハマればハマるほど、小さなシミや毛穴が気になって、自分を引きの目線で見られなくなる。
温泉の洗面台に置いてある拡大鏡でまじまじと皮膚を寄りで見てみたりして。
美容の相談は、する方もされる方も難しいものだと思う。
本当に仲の良い関係でない限り、9割の確率で「全然気にならないよ」と答えるのがベターだし、「むしろこっちが気になるよ」なんて言うのは、言語道断だから。
うっかり聞けば自分を甘やかす結論に至ることもあるし、うっかり答えれば大切な友人を失ったりすることもある。
とんでもなく辛辣なオネエの友人を持たない限り、しっかり自分を見つめて自分で答えを出さなくてはならない。
私は時々デパートでウィンドウショッピングをしながら、道行く女性を観察する。
あんな風に年齢を重ねたいなぁ、あんな体型になりたいなぁと思う人に出会う。
その一方でたくさんの戒めも発見する。
過剰に高いヒールを、膝を曲げずに歩くのが難しいこと。
どんなに手入れしていても、肘や膝には年齢が出やすいこと。
購入を検討していない食品の味見は、女から品を奪うこと。
色んなことを考えて、「じゃあ私はどうなの?」って、自分に聞くことができる。
人のふり見て自分を検証することは有効な手段だ。
人それぞれ理想像は違うけど、ゴールを目指すにあたって良いも悪いも意見を持たず自分を客観視してみる。
どんなふうに見えてるのかなぁって。
あくまで無感情で1回幽体離脱してみる。
離れたところから引きの目線で自分を見つめる。
「だって」とか「でも」とか言い訳せず自分を見つめるのは簡単そうで、なかなか難しい、美容マニアの最大の課題だと思う。
美容は限りある予算の中で結果を出さなければならないから、どんな選択が自分には必要かその配分には注意が必要だ。
ハマることは決して悪いことではない。
好きなことは集中できるし、その分情報も集まり結果が出るのも早い。
夢中になって没頭しながら時々客観的になって、自分を俯瞰してみるのが理想の自分に出会える最短距離だと思うんだけどな。
【勝ちに行く美容】バックナンバー
奥村 真理子
「趣味は皮膚」というスキンケアマニア。 様々なスキンケアアイテムを実際に利用して事実をレポートするインスタグラムは、アカウント開設からわずか8ヶ月で20,000フォロワーを獲得。
株式会社PETTERSの取締役としてアパレル会社を経営、2児の母でもある。