【勝ちに行く美容 Vol.04】秘書美容
エルメスよりシャネルより、ハリー ウィンストンよりヴァンクリより、
今、欲しいのは透明感ある肌、一択だ。
物欲お化けみたいだった30代の後半にさしかかった頃、
ある日、自分に違和感を覚えた。
なんだか理想と違う仕上がりになっている。
人それぞれ理想はあると思うけど、私の場合は「存在自体に透明感と清潔感のある人」であるはずだった。
結婚して子供を産んで、人類の半分(男性)の視線を意識しなくなって、ファッションにもメイクにも自分の「好き」を詰め込んだ。
ぎゅーっと詰め込んだら、ずーんという存在感が現れた。
それは知らぬ間に身に着けた「迫力」が正体であった。
年下とばかり仕事しているからただでさえ大きくなる態度に加えて、この雰囲気は絶対まずいと悟った私は、その迫力を薄めるために、試行錯誤を繰り返すことになる。
そんな時に主演女優が秘書役の韓国ドラマに出会った。
シンプルなファッションに華奢なアクセサリー、何よりも一点の曇りもない、皮膚管理された透明な肌と清潔な雰囲気に魅了された。
私はその秘書みたいになりたい。
そう思って自分との違いを照らし合わせた。
もしかしたらこれは、何かを足すよりも引く方が手っ取り早いのかもという仮説が生まれた。
毎日のフルメイクもお気に入りの大柄のスカートもやめるのは自分でなくなる気がして怖かったけど、私の理想像には必要ないと思ったのだ。
私が、1年かけて迫力を薄めるために行った足し引きをお伝えする。
これはあくまでも私の理想に向けての足し引きだけど、役に立つと嬉しいな。失敗も多かったから(笑)。
【引くもの】
濃いアイメイク、派手すぎるファッション、ケバすぎるネイルアート、厚底、過剰なおしゃべり。
【足すもの】
透明感ある皮膚、白い歯、よく手入れされた髪、程よい筋肉、人に敬意を払うこと、笑顔。
引き算からの足し算は、丁寧に生きることにも繋がって、本能のまま生きていた頃よりも無駄な物欲が減ったし、何より自分を好きになれた。
自分という素材をどこまで生かせるかは自分次第だ。
「こんな風になりたい!」
と自分の理想さえ掲げてしまえば、あとは近づくために努力するだけだ。
だから私は「透明感ある肌」を今も追い続けている。
ドラマの脚本家が主役のイメージを細かく設定するように、
理想はなるべく、なるべく具体的に。
そうすることで、口紅、ヘアカラーから話す内容までも、迷うことなく決まってくる。
美容はいつだって私たちに平等だ。
お金がたくさんあっても、理想なき美容は独りよがりになるから。
時々自分を見直してアップデートが必要だ。
私が「秘書」になれる日もそう遠くないと思う。
【勝ちに行く美容】バックナンバー
奥村 真理子
「趣味は皮膚」というスキンケアマニア。 様々なスキンケアアイテムを実際に利用して事実をレポートするインスタグラムは、アカウント開設からわずか8ヶ月で20,000フォロワーを獲得。
株式会社PETTERSの取締役としてアパレル会社を経営、2児の母でもある。