別所隆弘
文学研究者/フォトグラファー/ライター 滋賀県出身
National Geographic社主催の世界最大級のフォトコンテストをはじめ、国内外での表彰多数。写真と文学という2つの領域を横断しつつ、「その間」の表現を探究している。
これまでのどの著作よりも写真とカメラについて語られた大ボリュームの1冊
別所隆弘からGENIC読者へのメッセージ
この本は、写真の本としては少し珍しい形式をとっています。まずシャッター速度やF値の話は出てきません。また構図の話も撮影地の話も出てきません。通常の写真の本に出てくる話題のほとんどは、一つも出てきません。その代わりに書かれていることは、写真について、これまで私が考えてきたことの全てです。
もちろん、全てと言っても文字通りの「全部」を書き切ることはできません。ですので、考えてきたことの全てを、一冊の本に凝縮して書き出しました。SNSがあらゆる表現をコモディティへと変化させてきた2010年代、そしてAIが表現の可能性を根こそぎ変革させてしまうことが予想される2020年代、そんな20年を経た後、カメラを持ち、写真を撮る我々に、一体どんな「表現」の余地が残されているのか、今、写真と表現を取り巻くさまざまな問題に関して、ぎゅっと圧縮して書きました。でも答えは、一つもありません。ただこの本は、読者の皆さんに、「一緒に迷いませんか?」とお誘いするだけの本なのです。
それでも、この迷いの森の中を歩く経験が、いつか私自身を、あるいはもしかしたら読者の皆さんを、未来のどこかで導く小さな種火になるかもしれない、そういう願いを込めてさまざまなことを書きました。よかったら、ぜひお手に取ってください。そして一緒に、この獣道を歩きましょう。
別所隆弘
写真で何かを伝えたいすべての人たちへ
目次
あらゆるクリエイティブが一瞬で消費され、生成AIが瞬時に新しい画像を作り出す。そんな時代に、写真を撮る理由はどこにあるのか。表現を続けていくことに価値は見出せるのか。「写真を撮ること」「表現すること」の意味と意義を写真家、そして文学研究者と表現文化の領域を渡り歩いてきた別所隆弘が実体験とともに解き明かす。現代を生きる写真家やクリエイターへしるべとなる考え方を伝える1冊です。
写真に真実は写るのか
バズという踏み絵
いつか見た桜の記憶
花火を見上げる瞬間だけは そばにいる人との距離が近くなる
全人類総写真家時代の幕開け
書籍「写真で何かを伝えたいすべての人たちへ」情報
著者:別所隆弘
定価:1,980円(税込)
本体価格:1,800円
判型:A5判
総頁:176ページ
ISBN:9784295018599
- 【お問い合わせ先】
- インプレスブックス
- book.impress.co.jp
- インプレスブックス Instagram
- インプレスブックス X