本殿に参拝できるのは毎年8月4日、5日のみ
香川県三豊市の津嶋神社は、瀬戸内海に浮かぶ美しい小島に祀られています。その歴史はなんと300年以上。古くから子供の健康と成長の守り神として信仰され、家族連れやカップルなど全国各地から多くの参拝客が訪れるパワースポットです。
神社に参拝できるのは毎年8月4日、5日の「夏季例大祭」の時のみ。
この2日間のみ、津嶋神社へ行くための臨時駅「津島ノ宮駅」が営業され、本殿のある津島と対岸を結ぶ全長約250mの「つしま橋」を渡ることができます。
つしま橋は別名「しあわせ橋」と呼ばれ、この橋を渡ると、子供・若いカップル・夫婦に幸せが訪れると言われています。
つしま橋は、1933(昭和8)年に当時の大見村長・倉田彌治郎氏が発起人となり架けられました。それまでは船で島へ渡り、参拝していたのだそう。
通常はつしま橋の入口は封鎖されていて、床板が外された状態のため、夏季例大祭の2日間以外は橋に立ち入ることはできません。
日本でも珍しい子供の守り神
津嶋神社は全国的にも珍しい小児守護の神。子供の健やかな成長を願って訪れる人が多く、ほとんどの参拝客が子供連れという、津嶋神社ならではの光景が見られます。そのため本殿へと続く石段の下にはベビーカーの列がずらり。
夏季例大祭以外のご祈祷は、つしま橋手前の「遥拝殿(ようはいでん)」で行われており、七五三で参拝する人も多くいます。当日は社務所に設置される仮設スタジオにて、記念撮影してもらうことも。
疫病除けの神様
津嶋神社は、1706(宝永3)年に富山安兵衛が社殿を造営したと伝えられています。
海の中に浮かぶお椀を伏せたような島は、昔は「ねずみ島」と呼ばれ「ウバメガシ」の深い緑に覆われて銅板葺きの本殿が建てられています。
その昔、ねずみ島の沖に美しい声で歌う女がいて「我は海中に住める神、名は津島神という。今よりこの島に鎮まるべし。」と巫女に託し、里人は鳥居を作ってこの島を祀ったという話があります。
津嶋神社は別名「牛頭天王(ごずてんのう)」とも呼ばれていて、江戸時代から大正時代の中頃までは、牛馬の疫病を封じたことから牛馬の神として知られていました。大正時代になると「こどもの守り神」として、地元の住民を中心とした厚い信仰を集めるようになり、全国的にも広がっていき、今に至ります。
緑に覆われ瀬戸内海に浮かぶ津嶋神社の姿に感動した浮世絵師二代目・安藤広重が、景勝『津嶋さん』を幕末に描き、全国的に一躍有名になりました。
またこの特徴的な立地から「香川のモン・サン・ミッシェル」とも呼ばれています。
夕景の素晴らしさは格別
特に夕景の美しさは素晴らしく、夕日で赤く染まった空と海の中に浮かび上がる津嶋神社は、ため息が出るほど。
夕方を過ぎ暗くなると、神社と橋にライトが灯り、瀬戸内海がライトと夕日に照らされ、幻想的な雰囲気に。
この素晴らしい夕景を見ながら橋を渡れば、心穏やかになれそうです。津嶋神社を訪れたなら、この夕暮れの様子は見逃せません。
花火の光に浮かび上がる神社
お祭り初日の8月4日の20:00ごろには花火奉納も行われ、花火の光に浮かび上がる津嶋神社の姿を見ることも。間近で打ち上げられる花火は迫力も満点。つしま橋から見る花火はとても美しく、忘れられない思い出になることでしょう。
アンパンマン列車との共演も
JR四国予讃線ではアンパンマン列車が運行されています。タイミングが良ければ、子供の守り神である津嶋神社と、子供に絶大な人気のアンパンマンの列車との夢の共演が見られるかも。
津嶋神社(つしまじんじゃ)/香川<日本>
津嶋神社 基本データ
<住所>香川県三豊市三野町大見7463
<TEL>0875-72-5463
<駐車場>無料あり(南60台、東40台)
※8/4、5日は大変混雑するためJRが便利です。
2023年夏季例大祭 詳細
<ご祈祷(お祓い)日時>
8月4日(金) 6:00~22:00
8月5日(土) 6:00~22:00
渡橋料
大人 500円
子供 200円(幼児以下無料)
行き方・アクセス
<車>さぬき浜街道(県道丸亀詫間豊浜線)三野津湾眼前「三豊鳥坂IC」から約10分
<電車・タクシー>JR四国予讃線「詫間駅」からタクシーで約5分
<電車>8/4、5の2日間のみ臨時開設されるJR四国予讃線「津島ノ宮駅」から徒歩で約1分
<バス>三豊市コミュニティバス「東久保谷」から徒歩で約2分
※日曜祝日は運休
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