撮影の唯一の光である月そのものまでもをうつし出した神秘的な青い世界
石川賢治はこれまで、満月の光を求めて世界中の聖地から海底、そしてヒマラヤまで巡ってきました。
写真集「月夜の晩に」は、石川賢治の生まれ故郷に近い福岡県・糸島半島を中心に、日本を舞台として撮影しています。
現代は「宇宙時代」と言われていますが、古来、日本人は宇宙に思いを馳せる文化を育んできました。
本作は、「私たちは宇宙と一体で、生かされている存在」という日本人本来の感覚を表現するために、通常の写真集とは異なる右開きの仕様。石川賢治が四季折々に体感した言葉も縦書きに。
最高品質の印刷、表紙を題箋貼りにするなど、愛蔵版としての魅力あるつくりになっています。
「まだ一枚の写真にする途上にいる」と石川賢治が語る「地上の宇宙実感」。
石川賢治が挑み続けるテーマを、日本人の心象を深く愛し、古典文学を広く海外に伝えている翻訳家・詩人のピーター・J・マクミランが、英訳を担当。
太陽光の46万5千分の1の明るさといわれる満月の光。
写真集「月夜の晩に」は、満天の星の下、月光に照らされた木々や昆虫、糸島の美しい砂浜、そして撮影の唯一の光である月そのものまでもをうつし出した神秘的な青い世界を堪能できる写真集です。
『月夜の晩に』によせて
人類は宇宙時代に入ったと言われています。
民間人による国際宇宙ステーションへの宇宙旅行の実現や、数多くの宇宙探査機が地球に映像を送り、人々は宇宙を理解する機会がますます増えるでしょうが、しかし宇宙をどれだけ実感しているでしょうか。
タヒチ、ヒマラヤ、ケニヤ、ハワイ島、ウユニ塩湖など、世界を巡った30年間の満月の旅にひとくぎりをつけ、2016年、福岡県の自然豊かな糸島半島へ移住しました。
真の暗闇のある場所に暮らしながら、日本で実感する宇宙空間を、一枚の写真にすることを新しいテーマとしました。
四季折々、満月の夜。月光に照らし出された草花やいきものに、古来からの力強い生命力を感じます。
足もとの草花や昆虫を通して天空を見上げると、満天の星と一繋がりになり、宇宙本来の姿に見えます。
私たちは宇宙と繋がっているのです。
糸島半島で撮影した写真と日本各地の月夜の風景をまとめました。
"地上の宇宙実感"を感じていただければ幸いです。
石川賢治
写真集「月夜の晩に」
5,500円(税込)
仕様:A4判
ページ数:104ページ
著者:石川賢治
出版社:小学館
ISBN 978-4-09-682430-6
石川賢治 プロフィール
月光写真家。1945年福岡県生まれ。
1967年日本大学芸術学部写真学科を卒業。同年、ライトパブリシティ写真部入社。1976年フリーの写真家としてコマーシャルフィルム及びスチールを数多く手掛ける。1984年から1985年まで日本とサイパンで月光写真の露出テストを繰り返す。1986年サイパンで本格的に月光写真の撮影を開始、『月光浴』(小学館)を発表。月光写真家として世界各地を巡り作品を撮り続け、写真集を多数発表。2016年に福岡県の糸島半島に移住。新たな月光写真の創作に挑んでいる。
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- 小学館
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