大人になるとは/夏南の法則Vol.139
先日、子供が生まれたばかりの友達夫婦が我が家に遊びに来てくれました。
計画分娩で入院する前日に会って以来、なかなかタイミングが合わずに会えずにいた2人。夫婦はもちろん、赤ちゃんにもずっと会いたかった。
でも産まれてからすぐにお母様が手伝いに来ると言っていたし、子供のことも忙しいだろうなと変に遠慮してしまってなかなか連絡もできずにいたので、ポンと「ご飯しない?」とメッセージをくれてとても嬉しかったです。
我々夫婦は5週間の夏休みから帰ってきたばかりで、やっと東京のペースに戻ってきたかなというくらいのタイミング。溜まっていた仕事もあったので、私が集中している間に夫が家の片付けをし、予定時刻の1時間前に買い出しやテーブルセッティングを済ませて簡単な前菜を用意しました。
SNSではずっと見てたけど、実際に2人の赤ちゃんに会ったらなんだかとっても感動してしまって少しうるっとした。そして目の前にいるのは前から知っている2人のままなのに、そこに「親」という要素が加わっていてなんだか2人がすごく大人になった気がした。
赤ちゃんはとてもいい子で終始落ち着いており、私たち4人は昔と変わらない感じで食事とワインを楽しみながらキャッチアップ。お互いの近況報告やゲームなんかもして盛り上がりました。
夜も更けた頃、赤ちゃんを寝かしつけるという友達と一緒に寝室に向かい、あやしている間「実際最近どうよ」とサシで話し始めました。同い年の彼女とはもう15年以上の付き合いで、これまでも恋愛から仕事までいろいろな話をしてきました。
2人とも結婚、彼女はそれに加えて出産、という大きなシフトを経てライフスタイルや人生におけるプライオリティの変化などがあり、会話の内容が少し変わったとはいえ、昔から自分の仕事を愛している彼女からはやっぱり仕事の話も出た。
暗い部屋で簡易マットレスの上に横になってる赤ちゃんの近くに座り込んで、“自分の情熱を大事にしながら働くには”みたいな話を小声でする私たち。なんだかいいなって思った。
“大人になる”とは私の中で不思議なコンセプトで、昔と比べたらもちろん成長もしているし、年齢も重ねている。でも自分の中では前とそんなに変わらない部分も多くて、“大人になった”感覚がそこまでなかった。
子供の頃見ていた大人たちはなんでも知っているようでもっとずっと大人に見えてたけど、実際自分がその歳になってみたら全くそんなことはなくて、いつまで経っても人生はわからないことだらけ。変わったことと言えば、そこに飛び込んで手探りで自分なりの答えを出す肝が据わってきたのと、失敗から立ち直るのが早くなったこと。
でも、これでいいんだよなと思えた瞬間だった。自分が想像してた大人とは少し違うけど、これが私なりの大人で、結構いいもんだ。
結局寝つかなかった赤ちゃんを抱えてリビングに戻ると夫たちは横並びで野球を見ていて、こんな風にいつまでも友達と仲良くしていきたいなと思う、愛おしい夜でした。
素敵な1ヶ月でありますように♡
プロフィール
大屋夏南
1987年生まれのブラジル出身。17歳でモデルデビュー、数々の人気雑誌やファッションイベントに出演。
また、私服、美容情報など彼女のライフスタイルがいち早くチェックできるインスタグラム、YouTubeなどのソーシャルメディアはもちろん、スタイルブックや旅エッセイガイドを出版するなど幅広く活躍中。