【市川渚の“偏愛道” Vol.09】何度でも同じものが欲しいマイ定番たち

市川 渚<連載コラム>

市川渚<連載コラム>第1・第3日曜日更新
ファッションとテクノロジーの世界で活躍する
クリエイティブ・コンサルタント市川渚が
身の回りのモノ/コトへの強いこだわり=偏愛を語る!

【市川渚の“偏愛道” Vol.09】何度でも同じものが欲しいマイ定番たち

元々、新しいものや経験に対して貪欲なタイプではあるのだけれど、一度気に入ったり、ハマったりしたものに対する執着もなかなかのものである。今回はそんな執着たっぷりのわたし的定番について書いてみたいと思う。

きっかけは、このシャツたち。友人でもあるデザイナーの末定くんがデザインする「SUESADA」というブランドのものなのだけれど、ちょこちょこと買い足して、同じ形のシャツを素材違いで3枚持っている。
服に関してはトレンドもあるし、わたしが好きなブランドはシーズン毎にテーマがあって、シーズンが過ぎれば同じ服は手に入らないという場合がほとんど。ついでにアクの強めの服が好きなこともあって、これまでは定番的なアイテムを買い足しのような形で購入するということはなかった。

このシャツ、メンズも着られるオーバーサイズなので、リラックスムードなときはそのままラフに、裾をボトムにインすればエレガントに、フロントの裾を結んでショート丈で着てもいい。Tシャツの上に羽織っても良いし、インナーにもなる。とにかく、どうやって着たとてさまになるのだ。こんなに使えるシャツにはこれまで出会ったことがない。これが定番服ってやつか……ついに出会ってしまった……としみじみ思う昨今である。2年以上着ている繊細なシルク素材を使った1枚目はだいぶ疲れてきてしまったので、そろそろ買い替えかな……。

こちらは、手周りのジュエリーやアクセサリー。スタメンが決まっていて、ちょこちょこ入れ替わりはありつつ基本はほとんど変わらない。奥のスタッズブレスは日本のジュエリーブランド「chigo」のものなのだけれど、二十歳のときに一目惚れして初代を購入して以来、失くしたり落としたりと紆余曲折ありながら、今のものは夫がプレゼントしてくれた3代目。一度壊れてしまって修理にも出した。

そういえばこれと同じようなデザインのリングが欲しくて、シルバー粘土を使ってリングを自作したこともあった。そして「BOUCHERON」のハリネズミのリングは結婚指輪、そのほかはシルバーの太めのリング以外、母の肩身ということもあって、おそらく今後もこのラインナップが更新されることはなさそうである。

ジュエリーはゴールド派、シルバー派に分かれると思うが、私は断然シルバー派。手元のジュエリーはもちろんシルバー中心なのだけれど、ゴールドをちょこちょこと混ぜておくと、ゴールド金具の付いたバッグや靴ともミスマッチにならない。
ちなみに太めのシルバーのリングはアクセサリーというか、実は睡眠の状態や時間、運動量などを計測してくれる「Oura」というウェアラブルデバイスだったりする。デジモノはライフサイクルが短くなりがちなのだけれど、これは購入してから1年半くらい毎日欠かさず着けている。

睡眠の状態を細かく知ることができるところが非常にお気に入りで、アプリも見やすくてスタイリッシュ。この手のものは継続的に使わないと意味がないので、毎日身に着けたくなる、チェックしたくなる設計がなされていることは重要だ。ちょっと電池の持ちが悪くなってきたので、近々同じものをもう一度買うことになる予感がしている(笑)。

腕時計はApple Watchが発売された当時からApple Watch一択。確かこれで4台目。今使っているのは最新、第5世代のエルメスモデル。その日のファッションによって、シルバーのミラネーゼループとエルメスのバンドを使い分けている。

Apple Watchを使い始めるまで腕時計は一切しなかったのだが、今ではすっかり日々の生活に欠かせないものになっている。色々便利な機能はあるけれど、腕でサッと時刻を確認できるのが、やはり何よりもスマートだと思い知ったのであった……。

そして、シューズ。「Sellenatela」のレースアップブーツ「NOA」は間違いなくマイ定番。お直しに出している間に手元にないのが不安でもう1足同じものを買い足したので、2足同じものを持っている。防水加工が施されたレザーを使っていて雨の日も気にせず履けるのが便利というのもあるけれど、どんなスタイルにも不思議とぴったり来る万能選手なところが特にお気に入り。なおかつローヒールで疲れ知らず。旅先でもなにかと便利なので、旅行には必ず1足連れて行く。私にとってはスニーカーのような存在だ。

最後に、もう1着同じのが欲しいと思いながら、もう全く同じものは手に入らない、そんな1着がある。その昔、実はわたしは1度だけCDを出したことがあって、そのCDジャケットで着る衣装として購入した(していただいたというのが正しい)「Bernhard Willhelm」のドレス。毎年夏になると「そろそろボロボロになってきたから手放さなきゃなあ」と思いつつ、着てしまう1着である。

15年以上経っても全く古さを感じさせないシルエット、19歳でも3X歳でも違和感なく着れるデザイン。当時、これを選んだわたしを称賛したい。おそらく、もうこんな1着には一生出会えないだろうから、完全にダメになる前に分解してパターン(型紙)を取っておこうと思っている。

市川渚

1984年生まれ。N&Co.代表、THE GUILD所属。
ファッションとテクノロジーに精通したクリエイティブ・コンサルタントとして国内外のブランド、プロジェクトに関わっている。自身でのクリエイティブ制作や情報発信にも力を入れており、コラムニスト、フォトグラファーやモデルとしての一面も合わせ持つ。

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