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【福地桃子の立ちより話】第10回:元気をくれるひと 編

福地桃子<連載コラム>第2・第4金曜日更新
福地桃子がうつしたあらゆる世界
いきものたちとの時間を記録したコラム

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【福地桃子の立ちより話】第10回:元気をくれるひと 編

初めて海外で仕事があったときのこと。姉に借りていた小さなカメラを持って出かけました。

自由時間に予定を決めずにふらふらっと歩いていたら、太陽の光を気持ちよさそうにキャッチしながら農作業をしているお母さんに目が留まり、声をかけてお話ししました。

大事に育てた野菜を相手にうれしそうにする姿に、カラダがじんわり。言葉にして説明するのはとても難しいけれど、心がとっても満たされました。

お母さんは休む暇もなく手を動かし、わたしにも手伝いをさせてくれた。そして「恵まれた気候があって、この美味しい野菜たちが出来るんだよ」と言い、また仕事をする。

作業が終わったかと思うと

「これから夕飯なので、よかったらどうぞ」とお家に招いて、収穫したばかりの野菜を使って料理を作ってくれた。その時にも手伝いをさせてくれた。

こんなふうに
うれしい、がどんどん連鎖していくことに、とても感動しました。

泊まっていた宿屋に住んでいるネコ

会うと元気をもらえる人というのは、毎回素敵だなと思います。

わたしの身近な人の中にも旅先で出逢ったお母さんのように上手におもてなしをしてくれる友人がいるのですが、いつも元気をくれる人です。

チクチク縫ってできた

ここ最近では、パンをお裾分けしようと友人のお家のまえで待っていたら、パッと包んだユリを一輪持って出てきて、渡してくれたことがありました。

お花屋さんに並ぶ見覚えのあるユリとは違って、見たことのないくらいの大きさのもの。おばあちゃんの家の庭にたくさん咲いていたのを、今朝もらってきたばかりだったそう。

お互いに用意してきたものを物々交換のようにして、なんだかいい日だったなぁと帰りました。

後から思い出してみると、こういうやりとりが自分にとって大事にしたい記憶として残っているんだなぁと気がついて、お風呂に入ったときのじわ〜とするような、じんわりした幸せを感じます。

いただきもの。福という文字の裏側には牛と書いてある

福地桃子

1997年生まれ、東京都出身。姉にカメラを借りたのをきっかけに写真を撮るようになり、カメラ歴は5〜6年。
2019年、NHK連続テレビ小説『なつぞら』に夕見子役で出演して話題に。
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、日本テレビシンドラ『消しゴムをくれた女子を好きになった。』、Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』(是枝裕和監督)日本テレビドラマ『それってパクリじゃないですか?』などに出演。
今後は、NHK BSプレミアムドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』をはじめ複数の作品に出演予定。

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