【市川渚の“偏愛道” Vol.07】家のことも“愛せるもの”で気持ちよく

市川 渚<連載コラム>

市川渚<連載コラム>第1・第3日曜日更新
ファッションとテクノロジーの世界で活躍する
クリエイティブ・コンサルタント市川渚が
身の回りのモノ/コトへの強いこだわり=偏愛を語る!

【市川渚の“偏愛道” Vol.07】家のことも“愛せるもの”で気持ちよく

我が家は典型的DINKs家庭だ。
共働きの家庭で家事負担の配分を巡って夫婦の間に暗雲が垂れ込めるなんてことは世間でもよく耳にすることだし、我々ももちろん例外ではない。個人的な意見としては、誰にとっても時間は等しくあり、互いに各々のお財布を握りながら、共同生活を送っているのだから、家事分担も平等にすべきだとは思うけれど、人には得手不得手があるのも事実。
結果、我が家では必要なときにやれる人、得意な人がやればいい、ということになっている。

私にとっては、料理、洗濯、掃除といった家事も本来は好きな作業だし、得意な方であるが、やはり多忙なタイミングなどで「やらなければならない」と少しでも義務感を感じると、好きなことでもポジティブに捉えられなくなってしまう。
「何で私だけが!」なんて言葉で頭の中がいっぱいになってしまうのだ。

そんな気持ちに少しでも陥らないように、家事に使う身近な道具たちも、自分が気持ちよく使える、満足できる、という点にこだわって揃えている。
なんだか心がザワッとしたときもお気に入りのものに囲まれていることを考えれば、「この道具を使えていることを楽しもう」なんて気持ちにさえなってくる。人間って、ホント、単純だ。

というわけで、家事道具の中でも今回はキッチン周辺の話を中心にしてみようと思う。
まずは最近購入したお気に入り。1つ目は金物で有名な燕三条で作られたシンプルイズベストな出汁用のザル。
私はどんなに疲れたときでも昆布とかつお節(と煮干し等)で取った美味しいお出汁があればなんとか生きていける人なので、出汁をいかに簡単に取るかが日々の生活の中でかなり重要なのだけれど、これを買ってからさらに生産性が増した。

だって、水に昆布などを漬けて冷蔵庫に入れておいたものを火にかけて沸騰させ、かつお節をザッと入れるだけで、幸福感溢れるお出汁が完成するのだから。最高である。

お出汁の話になってしまうが、最近は濃厚な出汁が取れる羅臼昆布がお気に入り。
そしてネーミングも好みな「だしはこれ」。出汁取りにハマってからずっとメインで愛用しているかつお節である。成城石井で買えるので、比較的手に入りやすいのもポイント。

そしてもう一つの最近買ったお気に入りは「Soil」のまな板立て。
珪藻土で出来ているので重量があり安定感がある上に、水切りにもなって、カビも生えない。
真っ白なところも、もちろんお気に入りポイント。これで、立て掛けていたまな板が突然倒れて不安を与えるようなこともなくなった。

ちなみにキッチンの洗剤は食洗機、手洗いともに「ecostore」で揃えている。
なるべくなら環境に優しいものを使いたいというのもあるし、香りも優しくてここ数年リピート中。パッケージも洒落たデザインでそのまま置いておいても不快感なし。

食器を洗うスポンジはここ数年Amazonで購入できる「オーエ」というメーカーの真っ白なスポンジを使っている。
白は汚れが目立ちやすいけれど、スポンジ自体定期的に交換してしまった方が衛生的なので、私が白が好きなことと、替え時を判断しやすい点を兼ねて、これをリピートしている。

洗い物といえば、「家庭円満の秘訣は食洗機」なんて言葉も昨今よく耳にするのだけれど、残念ながらそれで全てが済むわけではなく、木製のカトラリーや作家さんのうつわなどは手洗いする必要があるし、料理をすればレンジやコンロ周りのお掃除をする必要も出てくる。
そんな時に欠かせないのがゴム手袋。私はイギリスの老舗「Marigold」のアウトドア用の黒いグローブを愛用。厚いので爪が長くても穴が開きづらいし、ファンシーな色柄が多い家事手袋の中でも、無骨で硬派、強そうな佇まいがたまらない。
面倒な油汚れ掃除なども「やってやるかー!」という気持ちになるものである。

調理道具はひとり暮らしをはじめた7、8年前に揃え始めて、それから愛用し続けているものがほとんど。
定番の「GLOBAL」や「KYOCERA」の包丁は研ぎ直しをしてくれるので、交互に研ぎに出している。少しサビも目立つようになってきた。そろそろ研ぎに出さねば。

「Fissler」や「STAUB」などの鍋や「木屋」の銅製卵焼き鍋、柳宗理の調理ボウルなども包丁たちと同様、ちゃんとケアすれば長く付き添える一生ものだ。
見た目も美しいし、良い道具は食材の美味しさをより引き出してくれる。そして美味しいものがあれば、みな笑顔になれる。

そういえば、料理が上手かった母の「これ、独身時代に買ったやつなの」というフレーズを、キッチンで子供の頃からよく耳にしていた。
物持ちがいいということだけでなく「いいものは長く使えるから、せっかく買うなら長く愛せるものを選んで買うがよろし」という考えを無意識のうちに刷り込まれていたのかもしれない。

そして、いつでもなんでも「好きなものを買えばいい」と私の偏愛を尊重してくれる夫に感謝感謝である。

市川渚

1984年生まれ。N&Co.代表、THE GUILD所属。
ファッションとテクノロジーに精通したクリエイティブ・コンサルタントとして国内外のブランド、プロジェクトに関わっている。自身でのクリエイティブ制作や情報発信にも力を入れており、コラムニスト、フォトグラファーやモデルとしての一面も合わせ持つ。

市川渚 Instagram
市川渚 Twitter
市川渚 WEB
前の記事