【龍崎翔子のクリップボード Vol.33】生理用品のガチャガチャ

龍崎翔子<連載コラム>

龍崎翔子<連載コラム>第2木曜日更新
24歳にして5つのホテルを経営する
ホテルプロデューサー龍崎翔子が
ホテルの構想へ着地するまでを公開!

【龍崎翔子のクリップボード Vol.33】

「どうしてホテルに生理用品を置かないんですか?」

と訊かれて、言葉に詰まってしまった。HOTEL SHE, はじめ、多くのホテルはフロントに生理用品を常備していて、声をかければ出してくれるけれど、確かに居酒屋のトイレにあるように客室内に設置されてはいない。

私はコンビニで生理用品を買うのが本当に嫌で、女性がレジに立っているタイミングを見計らって買うか、顔見知りが多い近所のコンビニでは恋人に代わりに買ってもらうことが多かった。だからホテルのフロントにあるって言ったって、「生理用品ありますか?」って訊くハードルを乗り越えるのは、多くの人にとって決して容易いことではないと思う。

ホテルは、ライフスタイルを試着できる場だと思う。半分はパブリックでありながら、もう半分はプライベートでもある空間で、他者の意思が入り込んだ生活空間の中で暮らす。だから、いつか生理用品が誰にとっても全く恥ずかしくないアイテムになったらいいけれど、それまでは、ホテルと相性がいいと思っている。ホテルの個室空間の中で、出会って、試して、深く知ることができる。

今までコンビニやドラッグストアで逃げるように生理用品を買っていた人、親や家族に適当に買ってきてもらっていた人が、新しいアイテムに出会ったり試したりじっくり吟味したりできる場になる。

9月からHOTEL SHE, KYOTOの各客室に数量限定にはなるけれど、生理用品を置くことにした。もしかしたら今まで使ったことのないであろうアイテムも交えて。女性だけに渡すべき?みたいな議論もなくはなかったけれど、すべての客室に入れることにした。なぜなら、生理は女性の身体に起こるものだけれど、決して女性だけのものではないと思っているから。男女問わず、生理があるないに関わらず、生理について知ることに意味があると思っている。

正直無償で提供するというのはサステナブルじゃないと思っているから、いつか、ホテルに生理用品のガチャガチャを作りたいという小さな夢がある。もしかしたら、コンドームとか避妊具の入っているガチャガチャもあってもいいのかもしれない。

生活が営まれる場であるホテルで、ポップに身体をいたわりたい。

龍崎翔子

2015年、大学1年生の頃に母とL&G GLOBAL BUSINESS, Inc.を立ち上げる。「ソーシャルホテル」をコンセプトに、北海道・富良野に『petit-hotel #MELON』をはじめとし、大阪・弁天町に『HOTEL SHE, OSAKA』、北海道・層雲峡で『HOTEL KUMOI』など、全国で計5軒をプロデュース。京都・九条にある『HOTEL SHE, KYOTO』はコンセプトを一新し、2019年3月21日にリニューアルオープン。

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