それってすごくもったいない/夏南の法則Vol.99
先日ある雑誌のインタビューで「新しいことに挑戦するときに怖さはない?」と聞かれました。
私の答えは「あんまり考えてないですね。それよりもワクワクというか自分の直感を信じる気持ちの方が強いかもしれません。」みたいだったと思う。
このインタビューのときもそうだったけど、人に聞かれて改めて思い返してみると自分でも「確かにあれよくやったな」と感じることがあります。
静岡に住むただの女子高生だった私が、何の保証もないのに上京してモデルの仕事を始めたり、19歳のとき英語も喋れないのに単身パリに行ったり…。24歳でのNY挑戦も、26歳の事務所の移籍も、4年前に始めたYouTubeも、少し前にローンチした自分のファッションブランドENCIRCLE(エンサークル)を始めたことも、こうやって字面だけ見ると、思い切ったことしてんなー。とちょっと心配になる(笑)。
でも、結果から言うと全て正しい決断でした。自分がやりがいを感じる仕事を長く続けさせてもらっているし、パリは私の仕事に対する考え方をいい方向にシフトしてくれた。大好きになったNYで英語を話せるようになると決意して勉強したら仕事もプライベートも世界が広がって、新しい事務所では自分の好きなことをやる力と探究心を育ててもらいました。
YouTubeは私の新しい表現の場になり、新たなコミュニティも生まれ、ENCIRCLEはまだ始まったばかりだけど毎日新しいことを学んで吸収しています。
でも、全てが順風満帆だったかと聞かれるとそれは違います。
長いキャリアの中で良かったことの20倍くらいは嫌なことがあったし、パリでは毎日何十本ものオーディションに行っては落とされ続け、ほとんど仕事がもらえなかった。言葉の壁もあってものすごく孤独で、メンタルのバランスを崩し日本に帰ってからも1ヶ月くらい働けませんでした。NYでも拒絶される日々で仕事はほぼなく、事務所内のドラマに巻き込まれたり、モデルアパートメントでいじめに遭ったりもした。
20代後半に入って環境を変え、今までのやり方をガラリと変えるのにも苦戦したし、YouTubeもブランドの立ち上げも、正直言って裏側はとてもハードです。
何でもキラキラしたところとドロドロしたところ、楽しい部分とそうじゃない部分がある。その全て、ありのままを受け止めずに、嫌な思いをしたくないからって避けていたら、そこに含まれる可能性やキラキラしたところ、楽しい部分も全部切り捨ててしまうことになります。
それってすごくもったいない。ましてや自分がやりたいと思っていることなら尚更。
失敗する可能性がゼロになるからといって成功する可能性も自らゼロにしてしまうより、一旦全てを受け入れるつもりで挑戦してみて、それから何を受け取るか選べばいい。
悪いところにフォーカスするか、良いところにフォーカスするか、それをコントロールするのは自分自身だから。
素敵な2週間でありますように♡


大屋夏南
1987年生まれのブラジル出身。17歳でモデルデビュー、数々の人気雑誌やファッションイベントに出演。
また、私服、美容情報など彼女のライフスタイルがいち早くチェックできるインスタグラム、YouTubeなどのソーシャルメディアはもちろん、最新著作となる旅エッセイガイド『Down to Earth』を出版するなど幅広く活躍中。