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どんなに忙しくても変えちゃいけないこと/夏南の法則Vol.110

大屋夏南<連載コラム>第1・第3月曜日更新
モデルの大屋夏南が
ありのままに自由でいるための
カナ的イズムを書き綴る♡

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どんなに忙しくても変えちゃいけないこと/夏南の法則Vol.110

先日、久しぶりに両親に会いました。

私の地元は静岡で、新幹線に乗れば約1時間の距離。会おうと思ったらすぐに会えるから「また今度」と思ってしまい、なかなか時間を作ることができずにいました。

母は毎日朝晩LINEを送ってくれるので、連絡を取らない日はないけど「夏南は忙しいから」と気を使って電話はほとんどかけてきません。

実際に忙しいのは確かだけど、家族と話す時間がないほどではないし、本当はもっと私から連絡してあげなくちゃと思いながらも両親の優しさに甘えてしまっています。

11月は私の誕生日があり、12月はクリスマス、1月は母の誕生日と、この時期は家族で過ごしたい行事が重なります。だけど私は毎年バースデートリップと年末年始の旅行に行ってしまうため、そのタイミングで一緒に時間を過ごすことができないので、少なくとも1度は必ず会えるように毎年何かを計画しています。

今年は私たち夫婦と両親で山の家に行きました。

父も母も自然が好きなので、山の家でゆったりと過ごす週末を喜んでくれるんじゃないかと思い誘ったところ、二つ返事で応じてくれました。

当日は現地の最寄駅で落ちあうことになっていたのですが、電車から降りたら2人が私がクリエイティブディレクターを務めるブランドENCIRCLEのニットを色違いで着ているところを見て、早速うるっときてしまいました。

事前に打合せたわけでもないのに夫も色違いのニット、私はスウェットを着ていて、4人で駐車場に向かっている間密かに私は胸がいっぱいでした。

山の家に向かう前にまずは買い出しに行き、我が家のシェフである父が指揮をとりながら次から次へと食材をカートに入れていきます。

スーパーの中でふと遠目から3人を見ているとき、私たちは家族なんだなって、私が一番大切にしなくちゃいけない人たちはこの人たちなんだと改めて感じて、どんなに忙しくなってもそれは変えちゃいけないと強く思いました。

ほんの一瞬の出来事だったけど、本当に大事なことってこういう何気ない瞬間に気づくことが多い気がします。

私は家庭内に言葉の壁がある環境で育ちました。ミックスの家庭には多いケースだと思うけど、ポルトガル語が第一言語の両親と日本語が第一言語の私とではコミュニケーションをとるときに少し努力が必要です。

会話中にどちらかがわからない言葉が出てくることも多く、自分が思っていることを際限なく伝えるのが難しいので、愛情は言葉で表現するよりも行動で示す家族でした。

今回の滞在もそれを感じるもので、父は大量の食事を作ってくれ、母は家の隅々まで掃除をし、2人とも何度も私の顔や手、頭などに触れ大屋家の愛情をたっぷり感じる週末になりました。

18歳で一人暮らしを始めてから顔を見る回数は随分減ったけど、自分が意識していない間も絶え間なく愛情を注ぎ続けてくれている人たちがいることを、当たり前だと思って感謝するのを忘れちゃいけないし、それをもっと表現するべきだなと思いました。

親は寂しいなんて言ってこないかもしれないけど、声を聞いたり顔を見せに行ったりしたら、きっと喜んでくれるはず。

愛してるなんて言わなくてもいいから、元気?みたいな短いメッセージでもいいから、今日、想いを届けてみてほしい。

素敵な2週間でありますように♡

大屋夏南

1987年生まれのブラジル出身。17歳でモデルデビュー、数々の人気雑誌やファッションイベントに出演。
また、私服、美容情報など彼女のライフスタイルがいち早くチェックできるインスタグラム、YouTubeなどのソーシャルメディアはもちろん、最新著作となる旅エッセイガイド『Down to Earth』を出版するなど幅広く活躍中。

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