【龍崎翔子のクリップボード Vol.07】スローなジャンクフード

龍崎翔子<連載コラム>

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23歳にして5つのホテルを経営する
ホテルプロデューサー龍崎翔子が
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【龍崎翔子のクリップボード Vol.07】スローなジャンクフード

美味しいものは、たいてい身体に悪いものでできている。

深夜のハンバーガー、外に出たくない日の宅配ピザ、ご褒美のアイスクリーム。小さい頃は親に咎められながら、大人になってからは葛藤を抱きながら、抗えない誘惑とともに頬張るジャンクフードたち。罪悪感は最高のスパイスだ。

糖質、脂質、炭水化物。それと微量の食品添加物。かつて人類が命を懸けた狩猟や、農作業の果てに手にしたこれらの栄養素は今や、安い早いうまいでインスタントに胃袋に収まってしまう。それも猛烈な脳内快楽物質を伴いながら。

それでも、ジャンクフードが好きだ。アイスクリーム屋の前を通りかかれば必ず吸い込まれるし、深夜の映画のおともは必ず宅配ピザだし、近所のハンバーガーショップは必ずチェックして、アボカドチーズバーガーを頬張る。ポテトとコーラも、追加しておくに越したことない。

肝心なのは、私だけじゃなくて世の中の人はたいていジャンクフードが好きだということ。日本に限らず、世界中どこでも。アメリカでもヨーロッパでもアフリカでも、世界中の人に愛されていて、食べられている。

世界中からゲストがやってくる私たちのホテルでは、フードメニューとして「グローバルフード」を出すことにこだわっている。グローバルフードとはつまり、世界中の人に食べられている料理で、かつローカルにアレンジすることができるもの。照り焼きや明太子の乗ったピザや、月見バーガー、はたまた抹茶味のアイスのように、具材やフレーバー次第で七変化する。

だから、HOTEL SHE, ではジャンクフードを出している。SHE, OSAKAではレコードに見立てたピザを、SHE, KYOTOではオアシスの象徴としてアイスクリームを。

ただ、一言断っておくと決してファストフードではない。ピザはWORKBENCH COFFEEが厳選した地元の新鮮な野菜を使い、注文を受けてから一枚一枚焼き上げるし、アイスクリームはBIG BABY ICE CREAMの吉田兄弟によって手作りされたオリジナルアイスクリーム。ちゃんと器によそって席までお出しする。

むしろスローで、時間と手間をかけながら、地域の農作物や食文化をリスペクトして生み出され、ゆったりと待ち、味わい、余韻を楽しみながら食べるジャンクフードなのである。

思いっきりギルティで、それでいてスロー。グローバルだけど、ローカル。

そんなジャンクフード、食べたくない?

Photographer @konomiworld_0313(1枚目の写真)、 @iori_kai(4枚目の写真)

【龍崎翔子のクリップボード】バックナンバー

Vol.06 インダストリアルセクシーな街並み

Vol.05 大人のノンアルコールドリンク

龍崎翔子

2015年、大学1年生の頃に母とL&G GLOBAL BUSINESS, Inc.を立ち上げる。「ソーシャルホテル」をコンセプトに、北海道・富良野に『petit-hotel #MELON』をはじめとし、大阪・弁天町に『HOTEL SHE, OSAKA』、北海道・層雲峡で『HOTEL KUMOI』など、全国で計5軒をプロデュース。京都・九条にある『HOTEL SHE, KYOTO』はコンセプトを一新し、3月21日にリニューアルオープン。

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